女性セブン既報(2016年7月7日号)の通り、Aさんが離婚を決意したのは、不倫のショックに加えて、謹慎状態で四六時中自宅にいるようになった夫の生活介助と子育ての苦労が重なり、肉体的にも精神的にもギリギリまで追い詰められたことが原因だった。夫婦の会話はすれ違い、必要以上にとげとげしくなり、お互いの行動の何もかもに敵意を感じてしまう――そんな緊張状態に置かれていたことは容易に想像できる。
それなのにテレビでアッケラカンと芸人相手に離婚について話す元夫を、元妻がどうしても許せなかったのもわかる。
「そもそも離婚の際、ふたりはその経緯について口外しないよう『守秘義務契約』を取り交わしていたのに、乙武さんはテレビでしゃべった。いくら番組でのせられたにしても、軽率だったのではないでしょうか。子供たちが成長するなか、Aさんが不倫を肯定していたかのような物言いは教育上もよくありません。彼女は二度と離婚について口外してほしくないとの思いを込めて、守秘義務契約の違約金と精神的損害の賠償を求めて、提訴に踏み切りました」(芸能関係者)
3人の子供を抱えて、今後の生活や人生の不安もあったはずのAさんにとって、提訴はやむにやまれぬ行動だったのだろう。
◆元妻の協力なくして子供に会えない
ガザ地区の住民と接した時に感じたことについて、乙武さんは、「東洋経済オンライン」(8月23日付)にこう寄稿した。
〈なぜ彼らは過酷な運命とともに生きることを余儀なくされ、なぜ私たちは平和と安全を享受することができているのだろう。なぜ彼らはガザに生まれ、なぜ私たちは日本に生まれたのだろう〉
〈生まれには、あらがえない。(中略)しかし、「だから、あきらめろ」という社会に、私は生きたくない〉
欧州の空の下で「自分探し」を続ける乙武さんは、自らの心にも大きな空虚を抱える。離婚以来、3人の子供たちとほとんど会うことができていないのだ。
「具体的な離婚の条件はふたりにしかわかりませんが、乙武さんは障害のため1人で行動できないので、こっそりと子供に会いにいくことも、Aさんを押しのけて強引に会うこともできません。いくら子供に会いたくても、Aさんの協力なしには無理なんです」(前出・関係者)
そこに追い打ちをかけたのが、今回の元妻による提訴だった。
「海外滞在中に提訴を知った乙武さんはしばし言葉を失って茫然としたそうです。彼にとってはまた1つ、厳しい現実が増えました」(前出・知人)
不倫騒動の渦中で、Aさんはパーティーに登壇してこう訴えていた。
「乙武は世の中に必要な人間です。みなさん、見捨てないでやってください」
その言葉を、今、元夫婦となったふたりはどう噛みしめるのだろうか。
※女性セブン2017年9月14日号