前出・佐藤氏がいう。
「認知症の行方不明者は、届けが出た当日から数日の間に見つかっているケースが大半です。ただ、昨年も471人が死亡した状態で見つかっています。決して少ない数字ではない」
命にかかわる問題にもかかわらず、対策は難しい。
「突然、普段と行動パターンが変わっていなくなってしまう人もいる。入所している施設で職員から“大人しくてあまり手が掛からない”と思われていたCさんが、突然いなくなったことがあった。翌日に見つかった時は10km以上離れた場所でうずくまっていたのです。履いていたのは施設のサンダル。いきなり、普段とは全く違った“力”を発揮してしまうことがあるんです」(同前)
※週刊ポスト2017年9月15日号