副題に「芥川龍之介 最後の恋人」とあるが、二人のあいだには性愛はなかったようだ。
評伝としても芥川龍之介の友人だった室生犀星や弟子の堀辰雄らが登場し、読みごたえがある。廣子には弟がいた。その弟は吃音だったため関東大震災の時、自警団の暴力に遭い、その後、廃人のようになってしまった。痛ましい。廣子は昭和三十二年に七十九歳で病没。かつてのはなやかさはなく、寂しい晩年だったという。
◆文/川本三郎
※SAPIO2017年10月号
副題に「芥川龍之介 最後の恋人」とあるが、二人のあいだには性愛はなかったようだ。
評伝としても芥川龍之介の友人だった室生犀星や弟子の堀辰雄らが登場し、読みごたえがある。廣子には弟がいた。その弟は吃音だったため関東大震災の時、自警団の暴力に遭い、その後、廃人のようになってしまった。痛ましい。廣子は昭和三十二年に七十九歳で病没。かつてのはなやかさはなく、寂しい晩年だったという。
◆文/川本三郎
※SAPIO2017年10月号