外国公館の安寧と威厳の保持を定めたウィーン条約に違反するとして日本政府が撤去を求めているにも拘わらず、韓国政府が放置したままにしているあの像と並べて設置するというのだ。
「我々がこの場所に労働者の像を設置する理由は、たった一人であらゆる侮辱に耐えながらぽつねんと佇んでいる少女像を守るためだけでなく、日本を代表する外交官らが少女像と労働者像を目の当たりにすることによって自分たちの過ちを常に記憶し、反面教師としてもらうためだ」
そう声明文を読み上げてみせた連合会の張徳煥(チャンドクファン)事務総長らは、集まった多くの日韓のメディアの前で、設置予定場所だとする大使館前の歩道にハンマーで釘を打ち込むパフォーマンスまでしてみせた。地元自治体のソウル市鐘路区から設置の許可を得たのか。張氏に尋ねてみた。
「まだ得ていませんが、すでに鐘路区とはやりとりを始めています。許可が出るものと確信しています」
なぜわざわざ大使館前に設置するのか。
「ひとつは少女像を守るため。もうひとつはここに設置するのが、韓日の社会的な関心を集めるには最も効果的だからです」
そう話す様子からは、ウィーン条約に抵触することは問題ではないかのようで、違和感を覚えざるを得ない。早ければ9月にも設置するという。完成イメージ図を張氏から入手した。高さ3mもある石柱に徴用工をイメージしたと思われる痩せた男性が彫られ、手が突き出している。強制徴用の歴史を物語るレリーフも彫り込まれるそうだ。