徴用工一覧

【徴用工】に関するニュースを集めたページです。

新政権では慰安婦問題をどう対応するのか(写真は2021年ソウルで開かれた正義連の定例集会/共同通信社)
韓国新政権で「反日団体」排除の動きも 慰安婦問題で進展あるか
「(文在寅政権下で)日韓関係は修復不可能なところまで悪化している。外交は現実主義に立脚すべきだ。元徴用工問題や慰安婦問題、安全保障協力、貿易対立などの懸案を全部一緒に1つのテーブルの上に置いて議論するグランドバーゲン(包括合意)方式でアプローチする必要がある」 韓国の大統領選挙に当選した尹錫悦氏は選挙中にこう主張していた。 さらに尹氏は「イデオロギー偏向的な竹槍歌を歌っているうちに、ここまで来てしまった」とも口にした。「竹槍歌」は朝鮮王朝末期の抗日反乱を題材にした歌で、“タマネギ男”と呼ばれた曺国元法相が反日を鼓舞する時に引用したことでも有名になった歌である。 古臭い反日イデオロギーからの脱却を繰り返し公言してきた尹氏の対日政策で、最大の焦点となるのが日韓歴史問題の行方である。そこでは新政権が直面する3つの課題がある。 第1の課題は政権発足後、最初の課題となりそうな徴用工問題だ。韓国内でいくつも提起された徴用工裁判では、いずれも日本企業側に賠償を命じる判決が出た。その後、資産差し押さえが実行され、現在は資産の現金化のタイミングを巡り日韓でにらみ合いが続く状況となっている。 この問題についての日本政府のスタンスは、韓国側の動きを静観しようというものだ。日韓関係の打開を図りたい尹氏サイドには「賠償金を韓国政府が肩代わりするという案も検討されている」(ソウル特派員)という。 徴用工問題支援団体の幹部はこう語る。「新政権が日本側と協議のテーブルを作れるかがポイントになるでしょう。ただ、そのためには韓国側が譲歩しなければならない状況になる可能性がある。韓国政府が賠償金を肩代わりすれば、直ちに『(国民から)なぜ民間の損害賠償を税金で支払うのか』という声が上がる。その論理をどう乗り越えるか。韓国政府がどのような解決策を提示するのか注目です」 第2の課題は、長らく日韓関係の重要課題となってきた慰安婦問題についての対応である。 文政権下では、「不可逆的解決」を謳った2015年日韓合意(慰安婦合意)が、事実上破棄されてしまった。 太平洋戦争の遺族団体の事務局長を務めてきた崔容相氏(現「行こう!平和人権党」代表)が語る。「慰安婦問題は、朴槿恵政権で合意した韓日慰安婦合意に立ち返って、もう終結させなければなりません。文政権のような左派のやり方では韓日関係を解決することは難しいと認識しなければならないのです」 文政権下では元慰安婦支援団体である「正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)等の、いわゆる反日団体が存在感を強めていった。「正義記憶連帯」等は慰安婦問題を利権化し、日韓歴史問題を〝解決しないこと〟を目的として反日世論を扇動してきた。 そこで焦点となるのが、新政権が反日団体とどう対峙していくかである。「尹氏は大統領選のなかで、慰安婦問題の主管省庁であり、正義連などに支援金を交付し運動を支えてきた女性家族部の廃止を公約としてきました。また正義連の元代表の尹美香議員は、詐欺横領などの裁判が続いています。新大統領の公約が実行され、さらに尹美香氏に厳しい審判が下されることになれば正義連の影響力は確実に低下していくはずです」(現地記者) 日韓歴史問題を常に混乱させてきた反日団体の排除は、慰安婦問題解決のための大きな一歩となることは間違いない。弱腰批判への恐れ そして第3の課題となるのが韓国世論である。尹氏は大統領選勝利後の会見でこう述べている。「韓日関係は過去よりも、未来をどうするかだ。両国や両国民の利益になるような関係を、我々がしっかりと考えていくことが重要だと考える」 この発言は、尹氏が選挙中から公言していた「日韓歴史問題を政治利用しない」というメッセージを、改めて公言したものだった。ソウル特派員が解説する。「歴史問題を過度に利用してきた前政権とは、尹氏は明確に違う姿勢を見せた。だが岸田文雄首相からは『共に協力したい』といった従来通りの言葉しか返ってこなかった。この日本側の姿勢に尹氏側は大きな不満を持っている。このままでは韓国側が一方的に譲歩しているように見えることを彼らは気にしている」 政権基盤の弱い尹氏にとって世論は無視できないポイントだ。韓国世論は反日に振れやすい。故に新大統領は日本に対して弱腰だと断じられることを、尹氏は怖れているのだ。 日韓関係改善という難局にどう挑むのか、新大統領の手腕に注目したい。取材・文/赤石晋一郎(ジャーナリスト)※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.21 07:00
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「落選運動2021」全実名ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「落選運動2021」全実名ほか
 10月4日発売の「週刊ポスト」は、大増ページの錦秋スペシャル合併号。新政権が誕生したが、残念ながら国民の声も自民党員の声さえも反映されない「派閥のジジイ勢力均衡内閣」と言うしかない。緊急事態宣言の全面解除も、きたる総選挙の選挙運動や資金パーティのためと見透かされている。こんな政権に命を預けてはおけない。政治はもちろん、コロナ、医療から芸能・スポーツまで、「宣言解除社会」を生きる必須情報が満載です。今週の見どころ読みどころ◆「落選運動2021」この1票でダメ政治家を懲らしめろ!新政権を背後で動かそうとする「4長老」とその「3子分」、スキャンダル続きの「魔の3回生」ほか、前回選挙から4年、国民を裏切る言動を繰り返してきた国会議員たちの行状を総ざらいした。何があっても有権者は忘れてくれると高をくくっている輩に鉄槌を下すには、「忘れていない」ことを投票で示すしかない。もちろん野党議員にも容赦はしない。94議員の「忘れてほしいあの話」を一挙公開する。◆倉田真由美x三浦瑠麗x山口真由「眞子さまのご結婚を全力で祝福いたします」今月末に入籍することが発表された眞子内親王と小室圭氏。世間では反対論が根強いが、若い世代や女性には賛成派も少なくない。賛成派の女性論客3人が、漫画家、国際政治学者、NY州弁護士というそれぞれの立場から、自らの意思を貫徹した眞子内親王を応援する理由を述べた。◆電撃引退・白鵬の有力支援者が激白「相撲協会から届いたとんでもない書状」こちらも世間の風当たりが強い元横綱の白鵬。引退して間垣親方となることが決まったが、その裏には相撲協会の徹底した白鵬叩きがあった。宮城野部屋を支援してきた「九州溜会」の会長の娘が、「白鵬に一代年寄が認められないのはおかしい」という私見を手紙にして八角理事長に届けたところ、なんと親である会長に対して「辞任しろ」と要求する手紙が返ってきたという。◆ここまで当たる!「日本3大地震予測」の最新危険マップ東日本大震災のあと、多くの地震学者は「やはり地震予知は難しい」と白旗を揚げたが、実はそれは「従来の予知方法では困難」なだけであって、専門外の学者や技術者は次々と新しい指標で予測方法を進化させている。本誌でおなじみの「MEGA地震予測」を筆頭に、「FM電波予測」「地震解析ラボ」を加えた3大地震予測の手法と実績、そして最新の危険度マップを公開する。◆<オールカラー特別読み切りマンガ>『東京貧困女子。』カラダで学費を払う女子大生「ビッグコミックスペリオール」の人気マンガを読み切りで出張掲載。若い女性に広がる貧困の実態を綿密な取材に基づきコミカライズした同作品は多くの共感と称賛を受けてきた。今回は、親の援助が受けられず自力で大学に通う女性が、コロナ禍で学費や生活費に困窮し、ついに風俗でアルバイトを始めた悲劇を紹介する。◆佐藤愛子さん「断筆宣言」に各界重鎮が語った「わたしの引き際」作家・佐藤愛子さんの最新刊『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』が大ヒットしている。同作品で佐藤さんが「断筆宣言」したことも大きな話題になっているが、老境を迎えた各界重鎮たちは作品をどう読んだのか。泉ピン子、三遊亭円楽、田原総一朗、小椋佳、手嶋龍一、山田火砂子の各氏が「わたしの引き際」を明かした。◆<カラーグラフィティ>大谷翔平よ、最高の夢をありがとう!全米を、全世界を魅了した大谷翔平の2021シーズンが終わった。投打の二刀流にとどまらず、最後までデッドヒートを演じたホームラン王争い、投手&スラッガーとは思えない果敢な盗塁、そして数々の名シーンを生んだ紳士的な振る舞いなど、記録と記憶に残った今シーズンの活躍を決定的瞬間で振り返る。◆緊急事態宣言解除で「できるようになること」「やってはいけないこと」宣言の全国一斉解除は、総選挙が迫る政界の都合という面も否定できない。解除されたから自由になんでもできると考えるのは危険だ。「飲食は?」「旅行は?」「コンサートは?」「冠婚葬祭は?」――政府が国民に丸投げした「解除後のニュー・ノーマル」を専門家が徹底解説。◆芸能界の頂点に上り詰めた有吉弘行「知られざる凶暴な不遇時代」オール巨人の付き人として芸能界の門をくぐり、猿岩石として一世を風靡、その後は長い低迷の時代を経て復活し、いまや冠番組を10本以上持つまでになった有吉。その駆け出し時代と低迷時代を知る関係者の貴重な証言を集めた。なんと有吉は、取材で訪れたラーメン店で無礼な扱いに腹を立て、ラーメンを外に放り投げるという凶暴さを見せていた……。◆韓国「徴用工トンデモ判決」で本当に三菱重工の資産は売却されるのか明白な国際法違反がまかり通っている韓国での徴用工訴訟で、ついに三菱重工が持つ特許権などの知的財産の売却命令が出た。実行されれば日韓関係は修復困難な難局に陥るが、それだけでなく、それら知的財産を韓国企業に奪われた場合、日本の先端技術を強奪されることにもなる。経済競争にも影を落とし始めたトンデモ訴訟の展望。◆<追悼>巨匠さいとう・たかを墜つ。しかしゴルゴは生き続ける世界一の連載巻数を誇るマンガ『ゴルゴ13』の作者であるさいとう・たかを氏が死去した。遺志に従い、連載はさいとう・プロダクションや小学館の協力で今後も続くことになった。氏は半年前、本誌の取材に答えて「ゴルゴではコロナは描かない」と語っていた。その真意とは?◆<カラーグラビア>やっぱり「やくざ映画」が面白い!今も昔も日本人の心をつかんで離さないやくざ映画の魅力を12ページのカラーグラビアで解き明かす。迫力ある演技で一世を風靡した中尾彬、中条きよしのインタビューはじめ、江波杏子、夏目雅子、藤純子、岩下志麻ら「姐さん」たちの雄姿、さらに現役やくざ100人にアンケートした好きな俳優、ヒロインなどの興味深い結果まで、ここでしか読めない珠玉のコンテンツがギッシリ。覚悟しいや!◆死に至る「薬の飲み合わせ」がこんなに見逃されていた!大反響シリーズ「薬の危ない話」。今回は、死に至るおそれのある「併用禁忌」の飲み合わせが実際には多く野放しになっている恐怖の実態と、その原因を探る。医師はなぜ禁忌を見逃すのか。「患者に急かされた」「禁忌とは知らなかった」「他病院の処方が伝えられていなかった」など、誰にでも起き得るシチュエーションで重大危機は起きていた。※全国の書店、コンビニで絶賛発売中!
2021.10.04 07:00
NEWSポストセブン
韓国政府は日本から受け取った賠償金を元慰安婦にも元徴用工にも渡さなかった(EPA=時事)
慰安婦トンデモ判決で改めて浮き彫りになった韓国政府の大嘘
 またも韓国で奇妙な判決が出た。1月8日、ソウル中央地裁は、元慰安婦と遺族ら12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の一審判決で、原告の請求通り一人あたり1億ウォン(約950万円)を支払うよう日本政府に命じた。徴用工訴訟でも焦点となっている「そもそも請求権があるのか」という問題は後述するが、それ以前に、国際法では「国家」は他国の裁判権に従うことはないという「主権免除」の原則があり、それすら無視する滅茶苦茶な判決である。 これが許されるなら、例えばトランプ大統領が中国を批判し続けていることに対し、中国人が「差別であり名誉棄損だ」と北京の裁判所に訴えて、アメリカ政府に対して「中国人一人あたり100ドル払え」という判決も出かねない。そういう泥仕合を避けるために定められた国際法をも顧みない今回の判決は“韓国司法の自殺”とも言える。 慰安婦問題では、朝日新聞などの日本のリベラル・メディアや、“人権派”を自称する国内の弁護士や団体が「旧日本軍の非人道的行為」だと宣伝し続けてきたために、日本人のなかにも誤解が多い。韓国では、教科書で「10万~20万人」の慰安婦が「強制連行」されて「性奴隷」にされた、といった根拠のない記述をして国民を扇動しているが、それに便乗する日本国内の勢力によって、日本人までもが誤った歴史認識をしていることは問題だ。請求権の問題に触れる前に、改めて慰安婦問題とは何だったのか、おさらいしてみる。◆慰安婦は何人いたのか? 外国人の割合は? 韓国や中国では、何十万人もの現地女性が日本軍の性奴隷になったかのように学校でも教えているが、それは嘘である。旧日本軍では、兵士100人に1人の慰安婦を手当てすることを目標にしていたが、常に不足して募集をかけていた。日本軍の兵力は最大で800万人ほどであり、計画通りであっても慰安婦は8万人、日本大学・秦郁彦教授の論文によれば、実際には2万人程度だったとされる。そのうち国内で採用された日本人が約4割、海外での応募者が約3割、朝鮮人が約2割、中国人が約1割だった。いずれもほとんどが職業的な売春婦である(当時の日本には公娼制度があり、売春婦は合法の職業だった)。◆強制連行はあったのか? この説の元となった朝日新聞での自称元軍人の、いわゆる「朝鮮人狩り証言」は虚構であったことが本人の告白と日韓の研究者の現地調査で明らかになっている。慰安婦支援団体などは、のちに「本人の意思に反した就業があったのだから、“広義の強制性”があった」などと主張を変えた。そうした事例でも、朝鮮人慰安婦を集めていたのは主に現地の女衒たちだった。彼らは貧しい農村などで親にカネを渡して婦女子を集めるなど、人道に反するケースが当時の報道でも問題視されていたが、日本軍が強制連行したという証拠は見つかっていない。むしろ日本軍は、そうした不適切な慰安婦集めを取り締まるよう通達も出していた。◆慰安婦証言の真実 2020年に公金流用などのスキャンダルにまみれた「韓国挺身隊問題対策協議会」が、登録する慰安婦40人に対して聞き取り調査をしたことがある。結果は、21名が自ら進んで慰安婦になっており、19名は意思に反して就業したと証言したが、そのうち15名は家が貧しくて親に売られたと話し、残り4人のうち2人は富山と釜山に強制連行されたと主張したが、どちらも戦地ではなかったので日本軍の慰安所はなかった。残り2人が日本でも何度も紹介された証言者だが、どちらの証言も二転三転しており、かつてはそれぞれ「養父に慰安所に連れて行かれた」「朝鮮人が私を送り出した」と話していたこともある。つまり、日本軍に強制連行されたとする信頼に足る証言はないのである。 以上のように、慰安婦問題とは、強制連行の問題でもなく、性的暴行の問題でもない(良し悪しは別として、当時は売春婦は正式な職業だったため)。元慰安婦たちの要求も、当初は「未払いの賃金を払え」というものだった。しかし、この点については、徴用工問題と同様、1965年の日韓基本条約とともに結ばれた請求権協定で「完全かつ最終的に解決されたこと」とされている。当時の日韓交渉の記録(1961年5月)も公開されているが、そのなかで日本側は賠償金について、「個人に対して支払ってほしいということか」と尋ねているが、韓国側は「国として請求して、国内での支払いは国内措置として必要な範囲でとる」と回答している。つまり、日本は個人賠償を提案したが、韓国が“国に対して払ってもらえれば、国内での支払いは自分たちでやる”として断ったのである。韓国の求めに応じ、日本政府は5億ドルを支払っている(ほかに民間借款が3億ドル)。それを今になって日本政府や日本企業に支払いを求めることは明らかに協定違反であり、国際法の原則に反している。 文在寅政権になってから、韓国は中国、北朝鮮に接近すると同時に、反日キャンペーンを加速させてきた。2015年の日韓慰安婦合意に基づき、日本政府が10億円を拠出して設立した「和解・癒やし財団」も、文政権は2019年に一方的に解散させてしまった。慰安婦問題を解決から遠ざけてきたのは文政権なのである。韓国政府は徴用工訴訟でも慰安婦訴訟でも「司法の問題だから政府は関係ない」という態度だが、徴用工や慰安婦に対して支払うはずの賠償金を日本から受け取りながら、そのまま懐に入れて頬かむりしてきたのが韓国政府であることは認めるべきだろう。
2021.01.08 19:00
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
韓国が推進する「東京五輪で日米南北4者会談」 その狙いは
 安倍政権から菅政権に交代して以降、韓国側からの関係改善を求める動きが活発化している。 2020年11月10日に朴智元(パク・チウォン)国家情報院長が首相官邸を訪れたのに続き、同月13日には、日韓議連の金振杓(キム・ジンピョ)会長が訪日した。韓国紙の報道によると、金会長は菅首相に対して「元徴用工問題を東京五輪まで凍結する案」を提示したという。何が狙いなのか。 元徴用工裁判で原告が差し押さえた日本企業の資産は、すでにいつでも売却できる段階に入っているが、今のところその動きはない。『韓国「反日フェイク」の病理』(小学館新書)の著書がある韓国人作家の崔碩栄(チェ・ソギョン)氏はこう分析する。「現金化できる時期に入ってからも何の動きがないのは、躊躇しているからだと思います。下手に現金化した場合の日本からの経済的な報復を恐れているのでしょう。 しかし、資産売却を『東京五輪まで凍結する』という韓国側の申し出は、五輪を人質に取ったかのような物言いで、元徴用工問題に紐づけて五輪の話をするのは五輪の政治利用に他ならず、違和感を覚えます」 その見返りとして韓国は何を求めているのか。「朴智元・国情院長は菅首相に対し、北朝鮮を東京五輪に参加させて、大会期間に日米南北4者会談を開くことを提案したと報じられています。つまり、米国のバイデン次期大統領と金正恩を会わせて関係を取りもつことで、北の信頼を得ると同時に支持率回復を狙っている。 和解ムードを演出したいのでしょうが、それは北朝鮮が正式に文大統領に依頼したことでしょうか。自身に都合良く北朝鮮を利用しているようにも見えます」(崔氏) 次期米国大統領のバイデン氏はオバマ政権時代、副大統領として日韓慰安婦合意(2015年)を仲介するという役割を果たした人物でもある。その日韓合意を事実上反故にした文大統領に不信感をもっていても不思議ではない。しかも、バイデン氏は同盟国との関係を強化する方針を打ち出しているので、文政権下の徴用工判決に基づき日本企業の資産現金化が実行され、日韓関係を毀損するような動きが見られれば、米韓関係はますます悪化しかねない。この状況を打破する起死回生の一打が、五輪での日米南北4者会談だというのだ。「今年は東京五輪に絡めて、韓国はさまざまな駆け引きをしてくると考えられますが、自国開催の五輪ならともかく、日本が開催する五輪に口を出すということは一線を越えています。日本はこうした提案に慎重に対応すべきです」(崔氏) 五輪はスポーツの祭典であり、政治をもちこむべきではない。菅首相は、この正論を前面に押し出してきっぱり断ることができるだろうか。◆取材・文/清水典之(フリーライター)
2021.01.03 16:00
NEWSポストセブン
バイデン氏は日韓関係修復に積極的 徴用工訴訟の日本企業に打撃も
バイデン氏は日韓関係修復に積極的 徴用工訴訟の日本企業に打撃も
 米大統領選で民主党のジョー・バイデン氏が当選を確実にしたが、全世界が注視する米中対立の構図は、バイデン政権でも続くと予想されている。『経済界』編集局長の関慎夫氏が指摘する。「特に最先端分野でその傾向は強まるはず。米国で槍玉に挙げられている中国のファーウェイ(華為技術)に対する規制が続けば、同社のスマホのシェアが落ち込む代わりに韓国サムスンのシェアが高まるでしょう。スマホなどに使われる画像センサーはソニーが圧倒的でしたが、自社製画像センサーを搭載したサムスンのスマホのシェアが高まると、結果的にソニーのシェアが落ちることになる」 トランプ大統領に近づいた末に、バイデン政権下で“手のひら返し”に遭いかねない日本企業もある。ソフトバンクグループだ。 同社を率いる孫正義・会長兼社長は、トランプ氏が勝利した前回の大統領選直後、ニューヨークを訪れ「米国内の新興企業などに500億ドル(約5.7兆円)の投資と5万人の雇用創出」を約束するなど、トランプ政権に露骨な“すり寄り”の姿勢を見せた。「同社は中国のIT大手・アリババの筆頭株主であり、いわば『投資先は米国と中国』という両天秤のスタンスをとっている。そのためバイデン政権下でビジネスがやりにくくなる可能性があります。ソフトバンクが米国で企業買収しようとしても、中国との距離の近さを警戒されて、米国政府から認可が下りないケースも十分に考えられます」(関氏) 日本との対立関係が続く「韓国」も“火種”となり得る。戦後75年が過ぎた今でも賠償問題はこじれ、徴用工問題に至っては、韓国の裁判所が三菱重工に対して同社の資産を差し押さえ現金化しようとする手続きを進めている。「自民党内では“現金化された場合、直ちに韓国に制裁をすべき”との議論があるが、日韓関係の修復に積極的なバイデン氏が、日本政府に早期の和解を求める可能性もある。そうなれば徴用工訴訟に関係する日本企業が追い詰められることになりかねません」(ジャーナリスト・河鐘基氏) 米国の新たなリーダーは、一見して“穏健”なイメージが強い。だが、超大国を率いる強大な権力者である以上、一皮むけば表からは見えない“鋭い刃”が潜んでいる。※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号
2020.11.26 07:00
マネーポストWEB
韓国政府に補償要求する徴用工遺族「日本に法的責任はない」
韓国政府に補償要求する徴用工遺族「日本に法的責任はない」
 いまだに日韓で解決の兆しが見えない徴用工問題だが、実は被害者や被害者遺族の声も一枚岩とは言えない。新著『韓国人、韓国を叱る』(小学館新書)が話題を呼ぶジャーナリスト・赤石晋一郎氏が、被害者団体のトップに聞いた。 * * * 日本と韓国は1965年、日韓基本条約を結んだ。そのときに協議した日韓請求権協定に基づき、日本政府は無償3億ドル、有償2億ドルの計5億ドル(当時のレートで約1800億円)を韓国政府に提供している。韓国政府はこの補償金をインフラ投資等に回し、漢江の奇跡と呼ばれる経済発展を遂げた。それは本来、被害者や遺族が受け取るはずのお金だった。 日帝被害者報償連合会・会長の金仁成氏らが、韓国の大統領府である青瓦台前で毎週行っている火曜日デモは、その返還を韓国政府に要求する運動なのだ。 日本大使館前で毎週水曜日に慰安婦問題の支援者らが行う水曜デモは、日韓メディアの間で有名になっている。しかし被害当事者による火曜日デモの存在は、ほとんど知られていない。金仁成氏は苦笑いを浮かべながらこう語った。「私の父は1942年に釜山で日本軍に徴用され、インドネシア・スマトラに従軍しました。現地では捕虜監視員をしていたそうです。連合国に捕まり2年間刑務所に入った後、帰ってきました。 父は1951年に亡くなりました。私達が補償として受け取ったのは、供託金(未払い給与等)など60万ウォン(約6万円)のみでした。日帝下(1945年まで)で亡くなった遺族は2000万ウォン(約200万円)貰えるが、私達はそこには入りませんでした。 ところが、今回の徴用工裁判で生存者に1億ウォンの賠償命令が出ました。日帝下での苦痛に対しての慰謝料という理屈です。生きている人に払うのなら、私の父親にも賠償金が払われるべきという理屈になるじゃないですか? だから徴用工裁判は道理が通らない話なのです。私達は火曜日デモで、韓国政府が日本から3億ドルを貰ったのだから、それを被害者に返すべきだという闘争をやっているのです」  そこまで語ると金仁成氏は小脇に抱えた本を指で叩いた。「韓日請求権交渉では韓国政府が103万2684名の軍人軍属労務者の未払い金に対して、3億6400万ドルを要求しました。日帝下の36年間、日本政府は植民地下の韓国に多くの投資をしました。発電所を作ったり、全国に鉄道網を敷いたり、電信施設を作った。国家インフラにお金をかけたのです。日本敗戦のときには、日本政府が持っていた資産、日本国民の資産を全て韓国に残して引き揚げた。日本が韓国に残した資産は、強制連行の供託資産をはるかに超えると日本政府は請求権交渉の中で反論しています。もし韓国政府が3億6400万ドルを要求するなら、日本は韓国政府に残してきた資産返還を要求すると主張し、会談は決裂したこともあった。 決裂してから4年間、会談は中止されていました。再開したとき、韓国政府は3億6400万ドルを再び要求した。交渉の結果、韓国政府は戦中未払い金として無償3億ドル、有償2億ドルを貰うことになったのです。それらを韓国政府は経済発展に使ったのです。 韓日請求権協定当時の韓国は、貧しい国でみなが腹をすかしていた。お金が必要だったのです。徴用工裁判を見て私が思うのは、日本には法的責任はないということです。なぜなら韓日請求権協定を結んでいるからです。しかし、道義的部分の責任は日本政府にも多分にあったとは考えています」※赤石晋一郎著『韓国人、韓国を叱る』(小学館新書)より抜粋。
2020.04.21 16:00
NEWSポストセブン
【動画】韓国・元徴用工が証言「これは韓国政府が解決すべき問題だ」
【動画】韓国・元徴用工が証言「これは韓国政府が解決すべき問題だ」
 韓国・元徴用工の証言に注目です。 元徴用工の李基賛氏はジャーナリスト・赤石晋一郎氏の取材に対し「あの時代はひもじかった。苦しかった」と証言した上で「韓国政府がまず解決案を示すべきだ」と語りました。 李氏は「私はいま1年間に80万ウォン(約8万円)を韓国政府から受け取っていますが、これはとても少ない額だと思います。韓日請求権協定で日本政府が韓国に支払った3億ドルをきちんと被害者のほうに振り向けてくれれば、いちばんいいと私は思っています」と心境を明かしています。
2020.04.12 16:00
NEWSポストセブン
韓国政府に求めることとは
元徴用工が証言「これは韓国政府が解決すべき問題だ」
 韓国との外交の中で解決の糸口が見えない徴用工問題において、元徴用工が日本メディアの取材に応えることはほぼない。そのなかで、1人の元徴用工が語った言葉は、日韓に横たわるこの問題の複雑さを露わにする。『韓国人、韓国を叱る』(小学館新書)を上梓したジャーナリストの赤石晋一郎氏がレポートする。 * * * 元徴用工である李基賛氏の取材は、彼が入院している韓国の病院で行った。私が取材を始めると、メディアでも騒ぎになっている徴用工というテーマもあってか、他の患者もみな彼の話に聞き入っていたのが印象的だった。「1943年、15歳のときに徴用令状が来ました。同じ部落からは13人が徴用されました。 日本のどこに行くかは知りませんでしたが、炭鉱に行くと聞かされました。日本行きの連絡船で下関に行きました。徴用工の人が400~500人くらい乗っていたと記憶しています。 門司を経て、長崎県佐世保市の三菱炭鉱へ行きました。私は石炭の区分けの仕事をしてました。朝7時から夜8時まで、2交代で働いていました。24時間フル稼働していた。一番方として朝から1週間働いて、次の週は夜から朝まで二番方として1週間働くという交代制でした。休日はありませんでした。炭鉱の中を自分で掘って、石炭を運び出す作業が大変でした。とにかく掘った石炭を並べていくんだけど、ブロック状に積み上げるのが大変でした。 食事は玄米が入っている麦のご飯でした。おかずはくず野菜スープかタクアン一切れ。それだけの食事でした」 どこの工場も食糧事情は厳しかったようだ。私が元徴用工みなに聞いている、「差別はありましたか?」という質問に、彼はこう答えた。 「私の考えでは韓国人差別はありましたし、よくない炭鉱でした。同じように来た韓国人で逃亡する人がいて、その人間の代わりに私達が暴力を受けることがよくありました。同じ区域から来た韓国人が何人も逃亡していたので、代わりに私達が制裁されるのです。 しかも私達には小遣いも、給料も一切ありませんでした。一切受け取っていないのです。私が知っている部分だけで言うと、日本人には自由があったが、韓国人には一切の自由が認められませんでした。日本語は簡単な挨拶程度しかわかりませんでした。とにかく酷く虐められるので、やがて韓国人だけで集まるようになりました。 広島、長崎に原子爆弾が落とされたとき、私達が長崎に手伝いに行くという話もありましたが、自分達は行かないと決めていました。天皇の玉音放送のことは3日後に、日本人から聞かされました。敗戦宣言ですね。やっと解放された、という気持ちでした。 徴用工の時代は奴隷労働みたいな状況でした。いちばん辛かったのは、いつも腹が減っていたことです。韓国に比べて日本で出されるご飯は、全てがひもじいものだった。労働も苦しかった、全てが苦しかった。家族に再会したときは、涙の海でした」 やはり苦しい経験だったのだろう。李基賛氏は少し険しい表情になり回想を続けた。しかし、李基賛氏の最後の言葉は意外なものだった。徴用工問題は「韓国政府がまず解決案を示すべきだ」と私に語ったのだ。「私はいま1年間に80万ウォン(約8万円)を韓国政府から受け取っていますが、これはとても少ない額だと思います。やはり辛い経験をしたのだから補償はきちんとして欲しい。韓日請求権協定があって、それ(日本政府が支払った無償3億ドル)をきちんと被害者のほうに振り向けてくれればいちばんいいと私は思っています。(日本企業に元徴用工への支払いを命じる)韓国大法院判決については、それで全体が解決するならいいけど、数人だけの解決でしかないから同意は出来ません」※赤石晋一郎・著『韓国人、韓国を叱る』(小学館)より一部抜粋
2020.04.11 16:00
NEWSポストセブン
なぜ韓国メディアは元徴用工男性の証言を“歪曲”と報じたか
なぜ韓国メディアは元徴用工男性の証言を“歪曲”と報じたか
 日韓歴史問題の停滞は、韓国から信頼性のある証言が出てこないことにも原因がある。ジャーナリストの赤石晋一郎氏は、身をもってその難しさを知ることになった。自身のリポートが韓国メディアから“歪曲”だと報じられた赤石氏が、その真相をリポートする。 * * * いまだ解決の道筋が見えない徴用工裁判問題。私がこの問題の取材を重ねるなかで、歴史問題の“暗部”を体感することになる事件があった。契機は『週刊ポスト』で、次のような記事を発表したことだった。「韓国・文在寅政権が隠す肉声入手! 91歳の元徴用工は語る『日本からの金はいらない』」(2019年12月9日発売号) 記事は私が元徴用工4人をインタビューしたものだった。編集部が付けたタイトルは刺激的ではあったが、証言の範疇内だったので了とした。タイトルにもなった「金はいらない」という発言をしたのが、崔漢永氏という元徴用工の方だった。彼の証言を紹介した箇所を引用する。〈崔漢永氏が日本に渡ったのは15歳の時だったという。「私は自分の意志で日本に行きました。当時、父親が傷害事件を起こして逮捕され、罰として日本での強制労働を命じられた。しかし父を失うと9人の大家族なので困る。そこで私が代理として『日本に行く』と手を上げました。年齢も18歳と偽りました。日本での働き先は、福岡県飯塚市にある三菱炭鉱でした。炭鉱には私以外にも何百人もの動員された朝鮮人がいました」(崔氏) 徴用工として日本で働いた崔氏。しかし、日本人からの差別を感じることはなかったと振り返る。「私は坑道を作る仕事を主にしていました。現場では日本人と朝鮮人が一緒に働いていた。休みは月に1日か2日でしたが、日本人も朝鮮人も同じ労働条件で、同じ賃金をもらっていました。朝鮮人だからと差別や暴行を受けるということもなかった。特に私は15歳と若かったこともあり、上司のサキヤマさん(日本人)に大変可愛がられた。『私の娘と結婚しないか?』と言われたこともありました」(同前) 崔氏は日本人に悪感情はないという。私が「徴用工に慰謝料は必要だと思うか?」と問うと、崔氏はこう語った。「(元徴用工が)裁判を起こしても何も得られるものはないよ。この高齢でお金を手にしてもしょうがないだろう。私はお金もいらないし、補償をして欲しいとも思わない」 そのハッキリとした物言いは、慰謝料ありきで徴用工問題を語る文在寅政権に、静かに異を唱えているようにも思えた。〉 紙幅の制約があるなかで何を伝えるべきかと考えたときに、「徴用工は奴隷労働だった」という韓国サイドの主張に対して、証言をベースに検証することを主眼にしようと考えた。記事は「差別や奴隷労働はなかった」等の証言を紹介し、徴用工には多様な現実が存在したことを提示した。  ところがこの記事をめぐって、私は韓国メディアから思わぬ攻撃を受けた。昨年12月16日、「ニュースデスク」(韓国・MBC)という報道番組で、〈[独自] 「日本人虐待をしなかった」証言? 案の定“歪曲”〉といったタイトルで私の記事が取り上げられたのだ。 MBCは日本で言うところの大手キー局のようなテレビ局だ。「ニュースデスク」は夜7時30分からのニュース番組であり、日本でいえば報道ステーションのような硬派な番組だという。報道内容は次のようなものだった。〈日本のある雑誌が、韓国人強制徴用被害者らの肉声を入手したと特集記事を掲載しましたが、その内容が異常です。「日本人が韓国人よりもっとよかった」。また、「被害補償を全く望んでいない」。90歳を超えた徴用被害者らがこのように言ったということですが、全く信じられないので、私達がこの方々に直接会ってみたら、そんなことを言ったことはないと、荒唐無稽な歪曲報道に憤怒しました。(中略) 取材チームが崔漢永さんに会ったところ、先月末に開かれた強制徴用関連の懇談会に日本記者が突然現れてインタビューを要求したと明らかにしました。特に記事では「被害補償を望まない」と話したことについて説明してくれと尋ねると、「捕まって、3年も炭鉱で苦労していたのに、補償を受けないということを話すわけがない」と言いながら激怒しました。「被害補償を貰わないとどうして言えるのか。受けなければならない。謝罪や謝りも必要だし、被害補償も受けるべきだ」 当時、インタビューを横で見守ったという、もう一人の被害者の息子であり、徴用被害者団体の代表は、「ここまで事実をねじ曲げて書くとは思わなかった」と嘆きました。「(日本が)メディアを利用して報道するのは、『補償も謝りも必要ない』と歪曲して報道してこそ(被害者の声を)弱めることが出来るからだろう」(チャン・ドクファン/強制徴用被害者連合会代表) 日本の言論(メディア)側は、MBCの取材に「電子メールを送れ」と答えるだけで、最後まで何の立場も示さなかった〉  前述したように私の記事はインタビューを再現したもので、歪曲などはしていない。インタビューの録音やテレビ映像等の記録も残されている。改めて録音を聞き直すと、以下のようなやり取りがある(通訳は同席したプロによる)。〈──徴用工裁判の話なんですけど、徴用工で働いた人はものすごいたくさんいますけど、どういう補償の仕方が一番望ましいと思いますか。「まあ、補償して貰うことってないんじゃない……」〉〈──日本政府は、この徴用工の補償の問題は1965年に終わったという認識なんですけど、日本政府に対して何か言いたいことっていうのはありますか。「日本政府にもないよ、貰うものは自分は貰ったんだから」〉〈──他の徴用工の人が日本企業を訴える気持ちっていうのは理解出来る部分があるんですか。それとも、理解出来ないですか。「まあ、裁判を起こして特に得をすることはないと思うんだけど。もう年寄りだから、何も要らないんだよ、お金も」〉 歪曲という指摘はまったく心当たりのないものだった。それ以上に崔漢永さんが証言を翻したことも気になった。MBCで「ここまで事実をねじ曲げて書くとは思わなかった」と語ったチャン・ドクファンなる人物を私は取材したこともないし、もちろん崔さんの取材にも同席はしていなかった。私から言わせれば、“歪曲”報道をしているのはMBCの方だった。 MBCからの取材は、放送日の昼に質問メールを週刊ポスト編集部に送ってきただけだった。そして彼らは週刊ポストや私からの回答を待つことなく、ニュースを流した。初めから“決めつけ”で報道する意図だったことは明らかだった。もしMBCが真相をより深く取材したいと考えるなら、私は彼らの取材に応じてもいいと考えていた。 韓国メディアが元徴用工の言葉を正確に報じたとしたら、それは画期的なことになる。日韓メディアで共同取材を行い、歴史問題について正しい報道を行うことが出来れば、それは日韓関係が改善する大きな契機となり得るからだ。  一方で「歪曲報道とされたのだから、MBCに厳重に抗議をしたほうがいいのではないか」とアドバイスをくれる人もいた。だが週刊ポスト編集部とも話し合い、事態を静観するという方針を決めた。 なぜならば、崔漢永さんは今も韓国社会の中で生活を続けている。彼にはMBCの取材で“違う言葉”を言わざるを得なかった理由があったのだと思う。もし私や週刊ポストが厳重に抗議をすれば、韓国でその問題が沸騰し、彼の立場がますます無くなってしまうことが懸念された。場合によっては、身の安全すら危うくなるかもしれない。そうした事態を招くことは避けたかった。 ただ、MBCで報道された以上、どこかのタイミングで私のほうからも説明責任を果たす必要があるとも思っていた。そこで拙稿で記事は事実に基づいたものであり、「歪曲」や「捏造」はなかったと表明させてもらうことにした。詳しい取材の経緯や、崔漢永さんのインタビュー全文は、拙著『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題新証言者たち』(小学館新書)で詳述している。 なぜ日韓歴史問題でウソや歪曲がまかり通るのか。MBC報道はその構造を端的に示していたように思う。 事実関係の検証よりも、彼らが望む形の“物語”が報道においても優先される。時には“物語”を歪曲してでも、それは行われる。つまり“反日”というイデオロギーが、今もなお韓国メディアの間では蔓延しているということなのだろう。
2020.04.02 16:00
NEWSポストセブン
【関川夏央氏】朝日新聞記者が綴る「韓国を支配する空気」
【関川夏央氏】朝日新聞記者が綴る「韓国を支配する空気」
【書評】『韓国を支配する「空気」の研究』/牧野愛博・著/文春新書/900円+税【評者】関川夏央(作家) 二〇一九年の日韓関係は最悪だった。海上自衛隊哨戒機への韓国海軍による火器管制レーダー照射、戦時中の徴用工・慰安婦への謝罪と補償要求があった。韓国国会議長は平成の天皇を「戦犯の息子」呼ばわりし、「軍国主義の象徴」である旭日旗を掲げた海上自衛隊艦艇の入港拒否など、韓国側の行動と発言にその原因があった。 文在寅大統領の政治手法は、「敵」をつくり扇動することで国民の結束をはかるという「ポピュリズム」である。すでに多くの韓国人が観光旅行体験などで現実の日本を知っているはずなのに、「反日」気運は一挙に高まった。それは韓国人が社会の「空気を読んだ」からで、韓国社会は、おなじ傾向を持つ日本社会よりはるかに一色化されがちだ。 そのうえ、学生活動家のセンスのまま初老に至ったような文在寅にことに顕著な「確証偏向症」(自分の信念や主張を強く信じる余り、反論に関する情報に目を向けない傾向)が加わると、「歴史的事実」での反論に対しても「聞く耳を持たない」状態になる、と著者・牧野愛博はいう。 一九八〇年代以来、韓国大統領は退任後に逮捕されたり自殺したりと悲惨をきわめる。大統領権力に集中する利権の恩恵に浴したい家族・一族・郷党の行動が原因で、それと縁のなかったのは六〇年代から七〇年代まで、人権を抑圧しながらも韓国経済の底上げに成功した朴正熙だけである。 その昔、朴正熙を「軍事政権」「開発独裁」と非難・嫌悪してやまなかった朝日新聞、「旭日旗」を社旗としながら、やはり「確証偏向症」を病んでいた朝日新聞にも著者のような記者が出現したこと、そうして輸出制限で韓国の態度にはじめて強い違和の念をしめした日本、みな時代の移ろいであろう。 韓国は日本に「似ていて非」と知るべし、久しくそう戒められてきたが、私は不十分だと思う。韓国は日本とまったく似ていない。そういう認識から始めるべきだろう。※週刊ポスト2020年3月27日号
2020.03.21 07:00
週刊ポスト
韓国産業界「日本頼み」からの脱却が絶対にできない理由
韓国産業界「日本頼み」からの脱却が絶対にできない理由
 コロナウイルス騒動ですっかり過去のことのように思われているかも知れないが、韓国への輸出規制を強化したことによる日韓関係の悪化は改善されていない。韓国の産業界で“脱「日本頼み」”が進んでいるという報道もあるが、そんなことが可能なのか。経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。 * * * 韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた「元徴用工」訴訟に対抗し、日本が半導体やディスプレイの製造に必要な化学材料3品目(フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素)の韓国への輸出規制を強化したことで過去最悪の状況になった日韓関係は、今なお凍てついたままである。『朝日新聞』(1月21日付朝刊)によると、日本の対抗措置で輸出総額の2割を占める半導体産業が深刻なダメージを受けた韓国は、素材や部品、製造装置の脱「日本頼み」対策(ジャパンフリー)を官民挙げて猛スピードで推し進め、成果を出し始めているという。 では、これから韓国は「日本頼み」から脱却することができるのか? 経営コンサルタントの仕事や講演などで韓国を200回以上訪れ、韓国の全財閥と付き合ってきた私に言わせれば、絶対にできないと思う。 なぜなら、日本の素材の力は3年や4年で追いつけるような底の浅いものではないからだ。化学メーカーだけでなく、半導体の基板メーカーや電子線描画装置メーカー、ガラスメーカーなどが信頼関係に基づいて連携しながら、何十年もコツコツと研究開発を続けなければならないのである。 しかし、韓国の産業界にそういうカルチャーはない。今回の輸出規制で「寝た子を起こした」と見る向きもあるようだが、象徴的な言い方をすれば、3人くらいは起きたとしても、300人は寝ているだろう。なぜか? その理由は韓国産業界のメンタリティにある。 もともと韓国人の多くは、自分たちのほうが“先輩”であり、あらゆる面で日本よりも進んでいたと考えている。たしかに、それも一理ある。明仁天皇(現・上皇)も「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じています」と述べている。 ところが、日本による植民地化と圧政で抑えつけられ、さらに戦後は南北に分断された。その結果、日本の後塵を拝することになった。だから韓国の悲哀は「すべて日本のせいだ」──。韓国の政治家や年配者は、自分たちのだらしなさを棚に上げ、伝統的にそう説明してきたのである。 そもそも韓国で戦後に財閥が誕生して繁栄したのは、役人の許認可権限が強いからである。政治家と癒着して役人とつるんだ財閥が、儲かる産業や不動産などの利権を独占してしまうのだ。このため役人と財閥企業の正社員以外は「ヘルコリア」(※地獄の朝鮮。韓国人が就職率・就労率の低さや労働環境の劣悪さなどを念頭に置いて自国を自虐的に呼ぶ言い方)で、夢も希望もない状況になっている。 そして財閥は、日本や欧米に追いつき追い越すためにかなり無理をしている。韓国の中小企業によれば、彼らが品質改善や生産性向上、コストダウンなどで良いアイデアを出したり新しい技術や製品を開発したりしても、財閥に全部吸い上げられてしまい、自分たちは割を食って細るだけなので無駄な努力はしないという。だから韓国では中小企業が育たず、産業の裾野が広がらないのだ。 前出の『朝日新聞』の記事によると、今回の局面では、財閥の大企業が率先して脱「日本頼み」に動き出し、素材や部品の開発を目指す中堅・中小企業に多くの大企業が生産ラインを開放しているという。 だが、前述したように、素材などの開発には多業種の企業が連携して何十年もかかる。韓国の産業界にそれができるメンタリティと研究基盤はなく、財閥のトップが号令をかけたらその間は進むかもしれないが、長続きはしないだろう。 しかも、限られたエリートが役所や財閥企業に就職し、そこから落ちこぼれた人たちは中小企業に入って、いくら努力をしても財閥に土足で踏みにじられるという歪んだ構造がある限り、脱「日本頼み」を達成するのは無理だと思う。 また、韓国ではエンジニアが冷遇されている。象徴的なのは社屋や工場だ。財閥企業の文系ホワイトカラーは高層ビルの本社オフィスにいるが、エンジニアは工場の天井から吊り下げた中二階のような環境が悪い一画に押し込められていることが多い。韓国でエンジニアになるということは、文系ホワイトカラーの“しもべ”になるのと同義と言っても過言ではない。 インドや台湾などの場合は文系ホワイトカラーよりエンジニアのほうが優遇されているし、日本では文系も理系も現場勤務からスタートするケースが多いが、韓国では稀だろう。エンジニアを下に見る韓国のメンタリティの“伝統”は、今後も変わらないと思う。 輸出規制強化の対象になった3品目をはじめとする日本製の素材や部品の中には、韓国が日本に頼らずに製造できるものもある。ホワイト国(※輸出管理制度上の優遇措置の対象国。現在は「グループA」。以下、グループB、C、Dと呼ばれる)や台湾経由で迂回輸入するという方法もすでに使われている。実際、サムスン電子は輸出規制が強化された直後に副会長が来日し、迂回輸入で調達できるように奔走していた。韓国に工場を建設する日本企業もあるかもしれない。だから、もちろん油断は禁物だが、本質的な意味で韓国に脱「日本頼み」はできない、と私は見ている。※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号
2020.02.17 07:00
週刊ポスト
「徴用工像」をソウルの日本大使館に向けて動かす反日デモ参加者たち(AFP=時事)
ケント氏の結論「元徴用工が賠償請求すべき相手は韓国政府」
 日韓関係が今日「最悪」とまで言われる状況になった直接的な契機は、2018年秋、いわゆる徴用工問題で韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる判決を出したことだった。日韓関係を土台から揺るがすこの問題について、ケント・ギルバート氏が喝破する。 * * * 徴用工の問題には、私がはっきり結論をつけておきたいと思います。徴用先で起きた出来事について、かつての朝鮮人徴用工とその家族が賠償請求を行なうべき相手は、韓国政府です。 彼らの人生に気の毒な面があったことは否定できませんが、怒りをぶつける先は、日本と国交を回復するかわり、個人が請求すべき分も一括して受け取って、それをちゃんと当事者に配分しなかった大韓民国政府そのものです。 日本が韓国側の要望に応じて「独立祝い金」の名目で提供した合計8億ドルの資金は当時の韓国国家予算の2年分だったといいます。その資金で韓国は、ダムや高速道路、地下鉄、製鉄所、各種工場など今日の発展の礎を築き、日本からは工業化の技術やノウハウも供与されました。 ポジティブに解釈すると、韓国人が日本から受け取るべきお金は、すべて経済の基盤整備のために使われ、韓国社会、韓国人に広く還元されました。ネガティブな想像をすれば、いくらかは権力者や財閥の懐に消えた分もあるのかもしれません。 しかしそれはすべて、韓国側の都合です。韓国政府が自国民に対して、これまで日韓基本条約と請求権協定によって、日韓が何を合意したのかを教えてこなかったからこそ、こうした事態を招いているのです。それにもかかわらず、「個人請求権は消滅していない」などと言い出し、新たな謝罪や損害賠償を国として容認するのは、ひどい責任転嫁です。 それでも、どうしても韓国側が日本企業に支払いを求めるのであれば、セカンドベストの方法を私が提案しましょう。請求権の放棄は、何も韓国側だけがしたのではありません。日本側が韓国国内に残してきた不動産やインフラ資産の請求権も放棄しているのです。韓国側が請求権放棄協定を無視するのなら、理論的には、あおぞら銀行(旧朝鮮銀行の日本残余資産で設立された日本不動産銀行の後身)がソウルにある韓国銀行貨幣金融博物館(旧朝鮮銀行本店)の返還を、三越伊勢丹が新世界百貨店本店本館(旧三越京城支店)の返還を要求することもできるはずです。当時朝鮮半島に土地を持っていた多くの日本人も返還を要求できます。 こうした例はいくらでもあるわけですが、日本は決してそうしてこなかったのです。国交回復当時の日本は、朝鮮戦争後、北朝鮮に後れを取って経済的にも軍事的にも苦しい韓国に対して、かつて苦労をかけたという思いがあったからこそ、多額の援助を行なったわけです。この事実を積極的に国民に知らせなかった歴代韓国政府のおかげで、残念なことにいまも韓国人が知らない歴史になってしまっています。 韓国政府が判決を放置し、請求権協定を骨抜きにするのならば、日本政府も当時不動産などを放棄した民間人、企業を集めて訴訟を起こすなり、あるいは元「徴用工」への賠償と同様時価評価で、あらためてこれら資産の対価を韓国側に要求するか、そのお金を韓国側で元「徴用工」への支払いに充当すればいいでしょう。これならば、現状よりはいくらかフェアです。もっとも、まさかできるとは思いませんが。 私は2008年、リーマンショック後の金融危機において、韓国の企画財務部長官が日本の新聞に対し、「日本は支援を出し惜しみしている」とか、「アジア諸国が日本にふがいなさを感じる」などと述べたのを見て、韓国に対する日本の長年の支援は、ついに政府レベルでも忘れられたと確信しました。 自分たちの政府は、日本からすでに充分すぎるお金を受け取っているのです。日本は、徴用工問題に関しては引き続き断固たる態度で臨むべきです。日本企業に実害が出た場合は、敢然と対抗措置を取るべきです。決していままでのような「謝罪病」をぶり返して国益を失ってはいけません。自分が悪くないのにとりあえず謝るというのは、日本人の習慣であり美徳かもしれませんが、日本以外の国では絶対にやってはいけません。そもそも徴用工問題で日本が妥協すべき点は皆無なのです。◆ケント・ギルバート著『中韓が繰り返す「反日」歴史戦を暴く』(祥伝社新書)を一部抜粋のうえ再構成
2020.01.28 16:00
NEWSポストセブン
ベトナムでの韓国軍の蛮行は、韓国のタブーとなっている(EPA=時事)
韓国・文在寅大統領が2年以上前に仕掛けた「反日時限爆弾」
 在日アメリカ人として、日米両国の書籍や資料から「20世紀の歴史の真実」を解き明かそうと精力的に活動するケント・ギルバート氏。去る2019年に日韓関係が「史上最悪」と言われるまで悪化した理由を考えると、文在寅大統領が就任後はじめて行なった「光復節」の演説に行き着くとケント氏は指摘する。 * * * 文在寅政権の動きを見ていると、まだまだ国民の反日感情を利用して政権運営をしようという意志に満ちあふれていると感じます。 2018年の元「徴用工」に対する賠償判決の確定、そして2019年に入ってからは、文在寅政権の唯一の「成功」だった米朝交渉、南北関係改善が行き詰まると、雪崩のように反日攻勢に出てきたのです。実はそのヒントは、2年以上前からわかっていたことでもあります。 2017年8月15日、文在寅大統領は演説で、「2年後の2019年は大韓民国建国と臨時政府樹立100年」と明言しました。ここには強力な反日につながりかねない衝撃的な仕掛けがあったのです。 日本で8月15日は「終戦の日」ですが、韓国にとっては「日本の植民地支配から解放された日」という意味を持ち、光復節という祝日になっています。そして、この日に大統領が行なう演説は、毎年歴史認識や外交関係にどう触れるかが注目され、特に2017年は親北反日反米政権と言われている文在寅大統領の初の演説だったために、何をどのように表現したのか、日本でも報じられました。 日本のマスコミが伝えた内容は、おおむね「穏当だった」というものでした。文在寅が歴史問題の解決の重要性に触れながらも、それが日韓関係の「未来志向の発展を引っ張り続けることは望ましくない」と述べたこと、つまり、主に北朝鮮問題での連携を念頭に、日本とは、過去の問題と現在の現実である外交安全保障問題を分けて付き合う、いわゆる「ツートラック」外交を志向したことが主に報じられました。もはや懐かしささえ感じられる話ですが、反日的と言われていた大統領の割にはトーンが弱く、ホッとしたような受け止め方だったように感じます。「2019年を韓国建国100年にする」と明言したことにはあまり関心が集まりませんでした。 しかし、これは日本に対する大きな問題となる可能性を含んでいたことが、いまならわかるはずです。 国際的な常識でも、大半の歴史学者の考え方でも、韓国の建国は1948年です。日本の教科書にも、CIA(米中央情報局)が発行する『ワールドファクトブック』にもそう書かれています。日本が去り、アメリカの軍政を経て、アメリカの支援によって作られたのが、いまにつながっている大韓民国政府です。 いっぽう、1919年、日本からの独立運動として知られる三・一運動の後、独立運動家が上海に「大韓民国臨時政府」を樹立しています。現在の韓国の憲法には、前文で「三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」に立脚すると明記されていますが、臨時政府は日本が去るまでの間、国家として国際的に認められる3要件を満たしたことはありません。つまり朝鮮半島に領域を持ったことも、国民を持ったこともなく、権力を行使したこともありません。当然、臨時政府は連合国の一員ではなく、承認した国もありません。 韓国国内でも、建国が何年なのかは常に論争となってきました。主に保守派は1948年説を支持してきたのに対し、左派は1919年を主張し、学校でもそのように教えられることが多いといいます。 建国の「精神」を1919年に求めることは可能かもしれませんが、実態のある国家としての連続性は、世界的に認められていませんし、韓国政府もそのように説明してきたはずです。そこにあえて文在寅は踏み込んでいたのです。◆1919年以降の日本統治はすべてが「不法行為」? これが韓国における反日にどんな影響を及ぼすのでしょうか。 日韓併合条約は国際法上何も問題がなく、日本による朝鮮半島の統治は言うまでもなく合法でした。そこで日本が何をしたかを韓国人が批判することはできるかもしれませんが、日本が統治できる立場にあったこと自体は否定などできません。 しかし、1919年に大韓民国臨時政府が設立され、それがいままで続いているという立場を取ると、1919年以降日本が朝鮮半島を統治してきた行為すべてが、本来の大韓民国の土地と国民を「不法に」統治し、韓国政府の主権を侵している「不法行為」だと定義できることになるわけです。 ということは? 慰安婦問題も、「強制徴用」と韓国が主張している問題も、すべて不法な統治のもとで行われた行為のために、当時の日本による法令を守っていたかどうかを論じる必要がなくなります。そして日韓基本条約でも、その後の謝罪等も、「不法行為に対する損害賠償をしたものではない」と言い出せば、改めて賠償が請求できることになってしまうわけです。あくまで彼らの理屈のうえでは、ですが、ここ数年、元「徴用工」問題で韓国側が主張しているのは、すべてこのロジックに基づいているわけです。日本が「基本条約と請求権協定に違反している」と反論しても、韓国は「そもそも不法行為に関しては取り決めていない」というやり方で、事実上骨抜きにするつもりなのです。 百田尚樹さんの話を借りると、それならば日本が行なったダムや治水工事、病院や学校の整備、植林や鉄道網の整備なども、すべて「不法行為」になるはずですが、そんな相手を一方的に利する不法行為があるのでしょうか。 現在の韓国における反日は、左派の文在寅が右派を攻撃するための道具、レッテル貼りという側面もありますが、政権運営がうまく行かなくなるほど、国内世論への対策として反日を持ち出すことはよくある話です。つまり、文在寅政権は就任当初からいつでも反日カードを切れるよう、あらかじめ時限爆弾を仕込んでいたようなものだったのです。◆ケント・ギルバート著『中韓が繰り返す「反日」歴史戦を暴く』(祥伝社新書)を一部抜粋のうえ再構成
2020.01.22 07:00
NEWSポストセブン
【動画】2020年、韓国が希望する日本との関係改善 高いハードルも
【動画】2020年、韓国が希望する日本との関係改善 高いハードルも
 昨年末に開かれた日韓首脳会談。日本メディアの多くは日韓関係改善に“進展なし”と評価しましたが、文在寅大統領は「安倍総理との首脳会談についても大きな期待を寄せています」と語っていました。日韓関係でいま最大の障壁となっているのは「徴用工判決」。2020年、韓国が日本の輸出管理体制の緩和を実現するためには徴用工裁判の結果を反故にするという高いハードルを越える必要がありそうです。今年、日韓関係はどう変わっていくでしょうか。
2020.01.11 07:00
NEWSポストセブン
2019年8月、東京五輪のボイコットを訴えるソウルのデモ隊(Penta Press/時事通信フォト)
韓国で「放射能五輪」キャンペーン 2020年の日韓関係は
 徴用工裁判の判決に基づく日本企業の資産差し押さえ、韓国を戦略物資のホワイト国から除外する措置、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄をめぐる騒動……2019年、揺れに揺れた日韓関係は、今年、どうなるのか。 昨年12月24日に1年3か月ぶりに中国・成都で開かれた日韓首脳会談がターニングポイントになるのではと見られていたが、安倍晋三首相と文在寅大統領はお互いの立場を確認するに留まり、関係改善のための具体案は何も出なかった。 元朝日新聞ソウル特派員で、韓国問題ジャーナリストの前川惠司氏は、今夏の東京五輪が日韓関係をさらに悪化させる引き金になると予測する。「韓国では、福島の競技場が放射能汚染されていて、“放射能五輪”になるという言説が韓国メディアを通じて広まっています。左派系の市民団体も、『放射能五輪に選手を送るな』とデモをしている。世界が注目する国際大会で日本を貶めようとする動きが、今後エスカレートしていくと考えられます」(前川氏) 韓国では昨年8月30日に仁川で市民団体による放射能五輪反対デモが起きたほか、各地で同様のデモが起きている。11月には東京五輪競技場への旭日旗の持ち込みと放射能汚染が懸念される食材の使用に反対する市民団体「東京五輪戦犯旗・放射能阻止ネットワーク」が新たに発足した。日本の大会組織委や国際オリンピック委員会(IOC)に対し抗議活動を行うとしている。 メディアも煽り立てている。韓国紙『中央日報』は〈韓国政府「原発汚染水対策を要請」 安倍首相の最も痛いところを突く〉と題した記事で、韓国外交部が福島の放射能問題を〈強力な対日カード〉と位置づけていると報じた(同紙日本語版2019年8月14日付)。韓国MBCも、同日、「『7ヵ月後』には、済州に達する……私たちの海の汚染、あっという間に」と、福島の“汚染水”が海に広がって済州島に達するとしたCGムービーを流した。 もちろん科学的には根拠のないことばかりだが、問題は、市民団体やメディアだけでなく、韓国政府や与党が主導して放射能の危険性を煽り、対日カードとして利用しようとしていることだ。 昨年9月に開かれた国際原子力機関(IAEA)の年次総会で、韓国の代表は福島第1原発の処理水を海洋放出することに対し、「世界全体の海洋環境に影響を及ぼしうる重大な国際問題となる」と訴えた。さらに、韓国与党の共に民主党も、昨年9月に「日本の放射能汚染地図」なるものを作成。五輪の競技場や聖火スタート地点などの放射線量の数値を公開したが、日本の市民団体の測定データをもとにしたと言いながら、実際とは異なる数値を並べていた。 そうした韓国側のネガティブキャンペーンに、日本側も黙っているわけではない。 先の日韓首脳会談でも安倍首相はこの問題に触れ、東京五輪に向けて両国政府が交流していくのが重要としながら、文大統領に対し、「福島第1原発から排出されている水に含まれる放射性物質の量は韓国の原発の排水の100分の1以下だ」と指摘したという(産経新聞12月28日付)。 また日本の外務省は、韓国の国民の誤解を解くため、在韓国日本大使館ホームページに「日本と韓国の空間線量率」を掲載。「福島市」「いわき市」「東京」「ソウル」の放射線量データを毎日更新し公開している。それによると、福島市とソウルの環境中の放射線量は概ね同程度だ。「日本側が示しているデータを一切無視し、“放射能五輪”のレッテルを貼る韓国側の行為は、もはや嫌がらせのレベル。当たり前のことですが、こうした行為で韓国に対する日本の国民感情が良くなるわけがありません」(前川氏) 五輪期間中にもこうした“嫌がらせ”が続くようなら、日本の一部にある嫌韓感情がさらに高まるのは避けられない。ゆえに前川氏は、2020年は転換点になると見る。「韓国とはわかり合えない、韓国は距離を置いた方がいい国だと気づく人が増えるでしょう。私も韓国とは、しばらく冷却期間を設けて離れているほうがいいと思います。 近世以降、日韓関係が平穏だったのは江戸時代くらいで、両者とも鎖国をしていて朝鮮通信使のほかはほとんど交流がなかった時代です。白村江の戦いの時代からずっと、深く関わったときは必ず軋轢を生んでいる。だから、近くて遠い国として、新しい“冷えた関係”を構築すべきと考えます」(前川氏)●取材・文/清水典之(フリーライター)
2020.01.09 07:00
NEWSポストセブン

トピックス

ご体調への不安が募る(写真/JMPA)
雅子さまと愛子さま、“ポツンと一軒家”の孤独感 閉ざされた御所での巣ごもり生活
女性セブン
SNSでも話題の「佐賀大学お嬢様部」に直撃
佐賀大学“お嬢様部”の活動実態を直撃取材!「お嬢様の定義をお教えしますわ」
週刊ポスト
1980年、田中派の総会で挨拶をする田中角栄(写真/共同通信社)
鉄の結束を誇った田中角栄軍団、「みんな田中ファン」指導力に心酔した議員や秘書たち
週刊ポスト
今は「芸人部署」に所属している久代萌美アナ
久代萌美、亀井京子アナも 女子アナ獲得の吉本、テレ東のエースアナにも注目
NEWSポストセブン
公務に邁進されている(6月、東京・港区)
佳子さま「公務に積極的」になられた背景に「皇籍離脱」「結婚」か
女性セブン
亜希
亜希 陰から見守る元夫・清原和博と息子達との「父子鷹」
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
披露宴での志摩ノ海と元関脇・逆鉾の長女・清香さん(時事通信フォト)
故・逆鉾の長女が結婚で後継者確定も名門・井筒部屋再興への“高いハードル”
週刊ポスト
クルマ、ギター、アート、スケートボードにもこだわる
長瀬智也、英国のバイク誌に登場 悠々自適な暮らしに「所ジョージ化している」の声
女性セブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の〈16歳飲酒〉〈お風呂入り〉告発に、花街関係者も衝撃「未成年飲酒には厳しく対応しているはず」
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
不祥事を理由に落選したはずなのに、比例で復活されては…(左は塚田一郎氏、右は中川郁子氏/写真=共同通信社)
「不倫路チュー」「USBは穴に…」失言・不祥事で落選しても比例復活するゾンビ議員たち
週刊ポスト