●反面教師のノウハウその2「自分好みの情報だけを信じて、意に沿わない情報はウソだと決めつける」
世の中にはいろんな情報があふれているし、ひとつの事柄も見る角度や切り取る範囲によってまったく違う意味を持ちます。しかもネットいうのは便利なツールで、自分好みの情報だけを集めて、それ以外を見ないようにするのは簡単。SNSでのつながりも、基本的には似た者同士の集まりに過ぎません。そうこうしているうちに、自分好みの情報が「真実」で、世間の大半の人はそれを信じているという偏った認識が育まれていきます。
●反面教師のノウハウその3「ほかにも同じような例はある、その後の態度が気に入らないと反論する」
自分たちだけじゃなくて同じようなことがあそこでもここでも起きたと、反面教師のみなさんは得意気におっしゃいます。また、おもに偏見と妄想と決めつけを元に、その後の相手の態度が気に入らない、その後こんなことをしたとイチャモンをつけて、だからこっちは悪くないという言い方をなさることもしばしば。いずれにせよ、それが反論になるとなぜ思えるのでしょうか。人間の業の深さに思いを馳せずにはいられません。
まさかこんなマヌケで情けないノウハウを使う人なんていないだろう──。そう思えるあなたは、とても健全で賢明な人です。しかし、残念ながら今の日本にはこうしたノウハウがかなり蔓延していて、あなたの心の隙に入り込むチャンスを伺っているのが実情。気持ちが弱っているときや嫌なことがあったときは、とくに危険です。ちゃんと過ちを反省できない恥ずかしい大人になってしまわないように、くれぐれも気を付けましょう。