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重馬場であるほど“返し馬”が重要、そこに注目すると面白い

角居勝彦氏が「重馬場」について語る

 夏競馬が終わり、今週から舞台は中山・阪神に。天候不順はまだまだ続きそうで、馬券検討には重馬場の巧拙がカギとなる。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、“重馬場”と“返し馬”に注目して考察する。

 * * *
 重馬場で「走りにくくてイヤだなぁ」と感じると、次に同じような状況で走るときに影響が出ることがあります。

 雨が降って芝が濡れると、どうしても着地のときに滑る。これを馬は怖がります。足元の不安です。人間も同じで、冬に路面が凍ったときなどはへっぴり腰で歩きますね。

 ところが、野生の馬はいくら雨が降っても滑らずに走る。滑るのは人間を乗せた時だけ。人間を乗せたことによって(「落とさないように」と意識しているかどうかはわかりませんが)、フォームが規制される場合があり、足が伸びきってから着地するので滑る。その感覚は馬にとってトラウマになり、ブレーキをかけてしまうことがあります。

 結局は人間が原因です。以前、触れた「放馬」が良い方向に転ぶことがあるのは、人間を振り落とした結果、伸び伸びと走れるからです。

 馬場によるトラウマは、日本特有のものかもしれません。ヨーロッパの競馬は重馬場が多い。馬はレースも調教も重たい芝を走ります。調教ではさらに馬場に水を撒く。そうやって馬の足元もたくましくなり、フォームも重厚になるのです。

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