『エルマンモ アヴァン クラス』では、点滴で体内に入った放射性薬剤から放出されるY線(X線よりもさらに波長の長い電磁波で、がん治療にも使われている)の働きで、この問題が解消されるのだという。

 前述した通り、『エルマンモ アヴァン クラス』はどの病院にも置いていないため、痛みのない検査を体感することはできないが、前身機の『エルマンモ』を導入している所沢PET画像診断クリニックの石田二郎院長に話を聞いた。

「非常に鮮明に画像が撮れるので、早期にがんを発見できます。5mm以下の小さながんも見つけられる可能性が高い。また受診者からは『痛くなくて、すごく楽』という声だけでなく、『胸を見られたり、触られたりしないから、恥ずかしくないのでいい』なんて声も出ています」

 前身機でもここまで優れているのであれば、最新機種ならなおさら優れた性能が期待される。

「従来機よりもさらに検出器ホールに深く胸を入れられるようになり、乳房の根元部分まで正確に検査できるようになりました。また、検査時に顔をのせる部分のくぼみも深くなり、これまでよりも楽な姿勢で検査できます」(前出・島津製作所広報室)

 痛みもストレスもなく、信頼も高いとなれば、ぜひ受診したいところだが、気になるのはその価格である。前出の石田院長が語る。

「当院では『エルマンモ』単体での検査は受け付けていません。人間ドックのコースにオプションとしてつけていただく形になり、例えば、全身PET/CT検査7万円に、乳房PET検査を3万2400円でつけることができます。基本的に保険適用外です」

 命の値段をどう考えるかは人それぞれだが、痛みもなく命が助かると考えれば、決して高額とはいえないかもしれない。

※女性セブン2017年9月28日号

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