また、飲食業界でもシニア人気は高く、日本マクドナルドでも、“年齢の壁”にこだわらず採用しているという。
「シニアスタッフの多くは、ルールをきっちり遵守してくれます。そのため、若いスタッフの模範的な存在になったり、他の主婦スタッフの相談役になるなど、店の“お母さん”的存在になってくれています。シニアスタッフが、店をけん引してくれるケースが多いんです」(日本マクドナルド・人事本部宮沢泰成さん)
もちろんこれらの仕事では、煩雑なレジ業務を覚えたり、子供や孫世代の上司から指示・叱責を受けることもあるため、体力的なきつさに加えて、さまざまな覚悟は必要だ。しかしそこを乗り越えれば、店から重宝されるなどして、働きやすくなるようだ。
◆働く意思があるなら1年でも早く!
60才以降も働く場所は多々あるとわかっても、仕事には向き不向きがある。前出の上田さんは、シニアの仕事選びには4つの視点が大事だと教えてくれた。
「それは、【1】過去の経験を生かせるか、【2】興味・関心を生かせるか、【3】地域のニーズに応えられるか、【4】人の役に立てるか、です。人と話すことが好きなら接客業が向いていますし、健康への関心が高いなら医療事務の資格を取って応募するのも手。シニアの場合、やりがいがなければ仕事を続けるのはきつい」
こうした点を踏まえ、働くなら1年でも早く仕事探しをした方がいいと言う。
「事務や販売など、65才を境にぐっと求人が減る業種も確かにあるからです。また、求人が最も多い清掃は、60代で慣れておかないと体力的についていけません」(前出・篠田さん)
早く始めればそれだけキャリアを重ねられ、70代からの仕事にも生かせるのだ。
※女性セブン2017年9月28日号