薬の飲み過ぎはいけない。だが、体調が悪ければ、薬に頼らないわけにもいかない──。そこで専門分野を持つ医師たちに「その分野ではこれだけ飲めばいい」という薬を挙げてもらった。
消化器系を専門とするおおたけ消化器内科クリニック院長で内科医の大竹真一郎氏は、「胃腸の病気に関しては、手術が必要な病気やよほど重篤なものでない限り、薬は必要ない」としたうえで、「それでもこの3つは例外です」と言う。
そのひとつがPPI(プロトンポンプ阻害薬)の「ネキシウム」だ。
「PPIは胃酸を抑制して胃痛を抑える薬です。患者が胃痛を訴えた場合、放置できない胃潰瘍か単なる胃もたれかを診断する際に『ネキシウム』を処方して様子を見ることが多い。数日から2週間ほどで効果が出たら胃潰瘍だったと診断します。
PPIは長期間使用すると骨が脆くなるなどの副作用が懸念されますが、短期間の服用で重大な疾患かどうか見極めるには有効な薬です」(大竹医師)
もうひとつは、過敏性腸症候群の薬「イリボー」だ。
「お腹の不具合を脳に伝える信号を遮断することで下痢を起こさなくなる。この薬は市販のものに比べてかなり効果が高い。私自身、テレビの収録前で緊張するときなどに服用しています」(同前)
最後のひとつは、風邪の症状を緩和しながら胃潰瘍を防ぐ、漢方薬「麻黄湯」である。