「風邪薬を飲んで解熱してしまうと、体温が下がって免疫力が低下してしまい、風邪の治りが悪くなってしまいます。かといって、高熱に悩まされ続けるのもつらい。『麻黄湯』は風邪薬に比べて解熱効果が穏やかで胃腸への負担も少なく、辛い症状を緩和しながらも、早期の回復が見込めます」(同前)
和田秀樹こころと体のクリニック院長で精神科医の和田秀樹氏は、「高齢者が“健康的な心”とともに過ごすため最低限必要な薬」を挙げた。
「加齢とともに、夜中に何度も目覚めてしまう『中途覚醒』を起こしやすくなります。このような睡眠障害は非常に大きなストレスになり、『QOL(生活の質)』を大きく低下させるため、眠りを深くして副作用が少ない抗うつ薬『デジレル』を処方します。
ただし、高齢者が抗精神病薬や睡眠導入剤を服用するときは、記憶障害や筋弛緩作用による転倒・骨折などの重篤な副作用が出やすいため、処方は慎重に行ないます」(和田医師)
高齢者がうつになって食欲が減退したケースでも投薬に踏み切るという。
「高齢者が食事を摂らないと栄養障害が出やすく、水分の摂取が減って脱水症状になる怖れがある。その場合は食欲を高める抗うつ剤『ドグマチール』が効果的だと思います」(同前)
※週刊ポスト2017年9月29日号