ライフ

ネットコラム「私の医歴書」名医が綴る赤裸々武勇伝と失敗談

介護特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の常勤医・石飛幸三氏

 日経新聞の名物長期連載「私の履歴書」をもじった「私の医歴書」というインターネットコラムが、医療関係者の間で熱心に読まれているという。“本家”同様に有名医師たちが月替わりで自らの「医歴」を綴った文章には、笑いあり、涙ありのエピソードが満載だ。

 同連載は2015年8月にスタートし、これまでに日本医学会会長を務めた高久史麿氏(血液内科医)ら錚々たる名医14人が寄稿している。

 最新(9月)連載の筆者は、緩和ケア医療の第一人者である介護特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の常勤医・石飛幸三氏。

 若い頃、〈「もう治せないものはない!」とも思うくらい〉自信満々だったという石飛氏。済生会中央病院(東京・港区)の外科医となった1983年、過外転症候群(※注)になった巨人の主力投手・加藤初氏の手術を担当した。

【※注/小胸筋(胸の外側にある筋肉)の下で神経や血管などが圧迫されることによって、手足の痺れや痛み、冷えなどを引き起こす病気。腕が動かしにくくなることもある】

 翌日、スポーツ紙の記者を集めて〈「手術は100%成功した」〉と豪語したが、恩師にあたる慶應大外科の元教授から〈「外科医に100%の成功なんてあり得ない話。お前を見損なった」〉と諫められたという。

 そんな石飛氏が緩和ケアに力を注ぐことになったのは還暦間際の頃だった。急性の血行障害で歩行困難になった77歳の男性に〈「歩けないんだったら、生きている意味がない。治してくれ」〉と懇願されたという。その意思を尊重し、手術に踏み切ったところ、重篤な急性心筋梗塞を起こして死亡。その後〈ご家族から訴えられた〉とある。この体験が、石飛氏を変えた。

関連記事

トピックス

『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
元乃木坂46の伊藤万理華の演技に注目が集まっている(公式HPより)
《難役が高評価》異例のNHK総合W出演、なぜ元乃木坂・伊藤万理華は重用されるのか 将来的には朝ドラ起用の可能性も
NEWSポストセブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン