国内

恐喝で食う「半グレ」集団 次の標的はYouTuberか

標的を陥れるのに美人局は古典的だが一番効くという

 動画共有サイトYouTubeに投稿して得られる収益を主な収入源とするYouTuber(ユーチューバー)は、今や子どもが憧れる職業のひとつだ。ところが、急激に知名度と収益をあげた人物を狙う勢力がある。富と名声に群がり、むしり取ることを繰り返しついには一部のYouTuberにも狙いを定めた勢力について、ライターの森鷹久氏がお届けする。

 * * *
「あいつらはいいカモになるよね(笑)」

 人気者となって資産を増やしてゆくユーチューバーに対しそう笑うのは、自ら「半グレ」と認める強面の男性・杉田さん(仮名・38歳)。「あいつら」が「カモ」とは一体どういう事なのか。

「ネオヒルズ族といって羽振りがよい様子を見せつける、訳のわからん連中がいっぱいいたでしょう? そこから何人かが今はユーチューバーに転身している。彼らは狙いやすい」

 2000年代に六本木ヒルズに本社を置く企業の代表者たちや、隣接する高級住宅棟の住人たちを「ヒルズ族」と呼んだのに対し、2010年頃、インターネットを活用したビジネスで大金を稼ぎ「ネオヒルズ族」と自称したグループがいた。杉田さんは、そのネオヒルズ族を相手に儲けたように、ユーチューバーに対しても同じ商売を仕掛けようとしているのだ。

「情報商材で儲けたネオヒルズ族が、六本木やら麻布のクラブとか飲み屋に来ると、我々もそこに同席してお友達になる。もちろん女の子も連れてね。あいつら、金持ちつっても詐欺まがいの方法で稼いだ金だからか、よく使うんですよ。オレオレ詐欺の連中とよく似てるよ(笑)。あそこを狙わない理由はない」(杉田さん)

 ネオヒルズ族の多くはネット上で”情報商材”と呼ばれるものを販売していた。情報商材とは一般的に、「情報」そのものが商品となっているもののことだ。

 ゴルフがうまくなる方法、10キロやせられるダイエット法、子猫の育て方など、意味があるものも存在するが、いわゆる「情報商材屋」と言われる人たちが販売しているのは、「一日で100万円稼ぐ方法」と言いながら消費者金融で100万円を借りるよう指南するなど、金を払ってまで得るような情報か首をかしげるようなものだ。それでも、新時代のスキームを使って確実に儲けられる新時代のビジネスで、一刻も早く加わるべきだと豪奢な道具建てで説明されると、つい購入してしまう人が必ず出現する。購入者が本当に儲かることは、ほぼない。

 こうした詐欺まがいの手法でカネを集める情報商材屋たちだが、彼らは犯罪者ではない。悪質ではあるけれども、違法ではないからだ。とても商品価値があるとは言えないものを言葉巧みに売りつける、口先だけは達者な「グレー人種」とは言えるだろう。そんなグレー人種を狙うのは、前出の杉田さんのような”プロ”だ。狙った先には、違法行為による金銭奪取が待っている。

「手っ取り早いのは”オンナ”を抱かすこと。古典的だが一番効く。少し前にも、現役バリバリの情報商材屋が数十万のカネを支払って紹介されたタレントを抱いたら、その後タレントや仲介の男から何千万ものカネを巻き上げられたんだよ。でも、もし恐喝事件として報道されると、情報商材販売に影響が出る。事件が表沙汰になると、被害者は誰なのか広まるものだから。有名になりすぎるとグレーな商売がしづらくなるから、被害者だと名乗れないわけですよ。仲介の男はうまくやったよなあ」(杉田さん)

 そして、ユーチューバーも、ネットでついているファン以外にはあまり知られていないから、きわどいことに挑戦して金儲けをしている人物が少なからずいる。そういったグレーな領域で仕事をしている自覚がある人間は、子どもからお年寄りまで知られてしまう事件報道の主役になるようなことは極力、避けたいものだ。だから情報商材屋と同じように、狙いやすいタイプの人間がユーチューバーにも一定数いるというのだ。

関連記事

トピックス

「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
人の出入りが多く流行っていたという火災があったサウナ店
《夫婦が閉じ込められ…》月額39万円の高級サウナ店での火災でサウナーたちに広がる不安 彼らはなぜ\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"避難シミュレーション\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"を議論するのか
NEWSポストセブン
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン