しかも小池知事は知事の“予算編成権”を振りかざして、業界団体に向き合った楔を打ち込んでいる。昨年度まで都議会自民党の要望を反映してきた200億円の「予算復活枠」を廃止。業界団体や市町村要望を小池知事が窓口となって受け付け、重要な箇所には増額した。
小池チルドレンである都民ファーストの都議らも7月下旬、小池氏に習うように業界に対するヒアリングを始めている。
当時は小池氏を擁護していた音喜多氏自身がブログに書き残している(7月25日)。
「向き合い方を間違えなければ、多くの声を効率よく集めるために業界団体という存在は一つの鍵になりえます」
もちろん、その可能性は否定できないが、事実は異なる。予算議会を前にした今年1月16日、パレスホテルで行われたある団体の新年会に出席した議員が証言する。
「小池知事はやおら“ご要望にお応えして、わずかですが1000億円ほど予算をつけさせていただいた”というのです。要望は年末の予算要望のことで、誰が予算編成権を持っているかわかりますよね、と誇示するかのようでした」
今月のパーティーに話を戻そう。ノルマを課せられた都議や都民ファースト関係者が、“小池予算”で要望がかなった業界団体やその幹部企業に10月14日のパーティー券の購入を持ちかけていれば、受益と負担の持ちつ持たれつの関係ができあがることになる(事実は次第に明らかになるだろう)。
つまりは、“利権”の持ち主が自民党から小池氏に入れ替わっただけならば、都民のメリットにはつながっていない。発足1年、すでに「小池流しがらみ政治」は“始動”どころか“完成”しているのかもしれない。希望の党がこれと相似形をなす可能性は小さくないと筆者は考えている。