「他に入れるところがないからですよ。“反安倍”という旗印を掲げた野党が『希望の党』で一致結束して、自民党と一対一の勝負になれば本当にマズかったけど、彼らが勝手にバラバラになったので反安倍票が分散された。自民党にとっては、小池さまさまです」(前出・自民党関係者)
思い返せば、公示2週間前時点で強烈な追い風が吹いていたのは小池氏の方だった。希望の党結党時に「これは政権選択選挙になる」と高らかに宣言。民進党を丸ごとのみ込むという荒業を見せて、“この国が変わるかもしれない”“女性初の総理誕生か”という高揚感が日本中を包んだ。
ところが、小池氏が“オウンゴール”を決めてしまった。民進党からの合流組の一部について、小池氏が「排除いたします」と言い切ったのだ。
この「排除」発言で世の空気は一変し、「小池氏は冷酷でいけ好かない人」とのイメージが広がる。ある政治ジャーナリストは、小池氏にも気の毒な面があったと指摘する。
「あの発言は、小池さんに批判的なジャーナリストが、『知事は前原さんをダマしたのか』『共謀したのか』『リベラル派大量虐殺とも言われている』などと繰り返し聞いたことに対する答えでした。質問者の過激な言葉遣いには、会見場に笑いも漏れ、小池さんも『独特の言語を使っておられる』と指摘した上で、『排除いたします』と答えました。結果的に、そこを大きく切り取られて笑えない結果になったわけです。
とはいえ、もっと慎重に、『安倍政権を倒すには、どうしても政策の一致が必要なんです』とか『検討中です』とでも言っておけばよかった」
政治の世界にタラレバはない。だが、もしあと数日、小池氏がホンネを黙っていたら、枝野幸男氏(53才)らの立憲民主党の結党は公示前に間に合わなかった。
※女性セブン2017年11月9日号