日々の“極妻生活”については笑いながら話す亜弓さんだが、暴力団を取り巻く社会情勢に話が及ぶと、声色は暗くなった。
「暴排条例ができて以降、夫も若い衆も携帯電話の契約ができなくなった。夫の父はカタギなのですが、夫を口座名義人にして何十年も掛けていた共済は暴排条例後に解約させられました」
もう一つの心配は、暴力団社会を揺るがす山口組の分裂抗争だ。
「仲良く飲みに行っていた他の組の姐さんでも、違う側に分かれてしまったら今までみたいな付き合いはもうできません。それどころか、家族ぐるみの付き合いの人たちには保育園の場所も知られてしまっている。うちの人は『おれらヤクザやから、そんな汚い手は使わん』と言いますが、子供が狙われたらと考えると一抹の不安を覚えます」
知られざる裏社会のさらなる裏面だ。
※週刊ポスト2017年11月3日号