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2017.11.02 07:00  週刊ポスト

落語界、新作から古典の名作まで元気な二ツ目たち

「二ツ目」たちにより落語界は元気

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、師匠の家や楽屋での世話をしていた前座から昇進し、紋付きを着て真打ちを目指す「二ツ目」たちにより落語界が元気な様子についてお届けする。

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 この連載の第1回で昨今の「二ツ目ブーム」的な状況について書いたが、それを象徴するような企画が僕のところに持ち込まれた。横浜市の関内ホールが「小ホールで二ツ目の落語会を始めたいのでプロデュースしてほしい」というのだ。

 この会場、大ホール(客席数1102)では従来から柳家小三治、立川志の輔といった人気者を招いて「関内寄席」を催している。小ホールは264席だが、これとて落語会のサイズとしては充分大きい。このキャパで二ツ目の会など、10年前には考えられなかった。

 題して「広瀬和生太鼓判 関内寄席ねくすと」。僕が出演者を選び演目も決めるというスタイルで、9月16日にその第1回を開催した。出演は柳亭小痴楽、春風亭ぴっかり☆、立川吉笑、三遊亭わん丈。

 開口一番はわん丈。二ツ目になってまだ1年だが、前座の頃から安定感のある高座運びに定評があり、ハキハキした口調とよく通る声が魅力。新作も得意で『国隠し』などは鉄板ネタだが、今回は『寄合酒』をリクエスト。寄席でもおなじみの滑稽噺だが、彼の『寄合酒』は三遊亭萬橘に教わったユニークな型で、随所にヒネリが効いていて新鮮に笑える。

 二番手は吉笑。新作落語オンリーの演者で、緻密な論理展開と言葉遊びを合体させた独特な作風は唯一無二。この日演じた『カレンダー』は、間違った暦や時計に依存して暮らしてきた集団が世間とのズレに徐々に気づいていく過程がなんともスリリング。まさに「論理で笑わせる」吉笑の面目躍如たる傑作だ。

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