AI開発の総指揮者には東北財経大学副教授の李博陽博士(35)を招く。中国ロボット協会の副会長で、人工知能学の権威だ。
習近平政権は2014年から「大衆創業・万衆創新」を提唱してイノベーション立国を図る。結果、スマホ決済の普及に代表されるニューエコノミーは、いまや中国経済を支える柱となった。ドローンなどの機械系ベンチャーも好調で、EX社もまた、その後に続く。
中国の新規技術は創業当初こそ民間でのびのび開発が進むが、政府の治安部門が顔認証技術を大規模採用したように、やがて「政治」に組み込まれる例も多い。
将来、中国製の美少女アンドロイドが容姿を武器に世界に普及。サイバー版のハニートラップが始まる……。そんなSF的な未来が来るかもしれない。
【PROFILE】安田峰俊●1982年滋賀県生まれ。ノンフィクション作家。立命館大学文学部卒業後、広島大学大学院文学研究科修了。当時の専攻は中国近現代史。著書に『和僑』『境界の民』『野心 郭台銘伝』など。
※SAPIO2017年11・12月号