「独りで寝るのが寂しくて、ついつい深酒をするようになった。もともと強いほうではなかったのですが、どんどん酒の量が多くなって……。そのうち酒が切れてくるとイライラしたり、悪寒が出るようになってしまった。病院に行くと“初期のアルコール依存症”と診断され、今では定期的に通院している」(73歳男性)
妻を失うことは、深刻な病にもつながりかねないのだ。
「妻との死別」は、コミュニケーションの機会も奪っていく。第一生命研究所のレポート(2017年)によれば、「配偶者と死別して外出する時間が減った」と答えた男性は、39.6%にのぼり、「一日中誰とも話さないことが増えた」という男性は、70.8%にのぼる。
会社時代の付き合いもなくなった、子供もとっくに独立して別居、近所付き合いもずっと妻に任せきりで、近くに親しい知り合いもいない……。そんな男性は、より孤独を深めていくことになってしまうのだ。
※週刊ポスト2017年12月1日号