「澄ちゃんに歌をプレゼントするのに、歌を知らないはずの澄ちゃんが一緒に歌うのはおかしいと思って、監督に訴えたけれど納得してくれなくて渋々歌ったからだよ」
それを聞いて、「あー、そうだったのねー」って、ようやく謎が解けたんですよ(笑い)。
田中邦衛さんが演じた青大将も、憎めないチャーミングな役柄でした。でも、素の邦衛さんは役柄と全然違って物静かな人だったんです。
当時は撮影が忙しくて大変でしたね。けれど、映画が大ブレイクして加山さんが有名になっていくのを目の当たりにして、共演者の私も嬉しかったです。
●ほし・ゆりこ/1958年、東宝の「ミス・シンデレラ娘」に選ばれ芸能界へ。若大将の学生生活を描いた『大学の若大将』(1961年)から『リオの若大将』(1968年)まで11作品にマドンナ・澄子役で出演。
※週刊ポスト2017年12月1日号