国内

SNSで女性になりすますデジタル美人局 被害届が出にくい理由

SNSで親しくやりとりした女性は、男性だった

 ネットで親しくなった女性が、実は男性だった。パソコン通信の時代から存在する性別を偽るなりすまし行為はネットオカマ、略してネカマと呼ばれる。ネカマといえば、かつては男性をからかうイタズラ目的が主流だったが、最近では、男性に電子マネーを要求する手法が広まっている。詐欺の疑いがある行為だが、被害が表沙汰になることは少ない。出会い系アプリやSNSを利用した、この新種の美人局の手口と、なぜ被害を申告する男性が少ないのか、ライターの森鷹久氏がリポートする。

 * * *
 名古屋市の私立高校に通う男子生徒39名が、女子高生を装い出会い系アプリに登録し、接触してきた男性に電子マネーを要求していたことが発覚した。同校への取材によれば、全員が同じ高校2年生で運動部に所属。入手した電子マネーで部活用具やスマホケースなどを購入するなどしていたという。

 愛知県警は詐欺の疑いもみて捜査をしているが、この手法を「昔ながらのやり方」とし、また「男子高校生らが検挙される可能性は低い」と見ているのは、愛知県内に拠点を置く指定暴力団二次団体の現役構成員だ。

「いわゆる”ネカマ(ネット上で女性に成りすます行為)”になって、デジタル版美人局を働いた、ということでしょうが、もしかしたら、我々がやっている手順を、男子高校生が見よう見まねでやったのかもしれない」(現役構成員)

 この構成員は、男子高校生たちが手を染めたのは”美人局”と指摘するが、構成員の部下や関係者も組織的に、ほぼ同様の手法でSNSや出会い系サイト上で接触した男性から金品を搾取しているのだという。

「まず、上手に女性に成りすますために、数人の女性のプロフを作る。さらに、台湾のSNS上から女性の写真を勝手に持ってくる。中国人や韓国人はすぐバレるからダメ。台湾の女の子は日本人っぽくて、日本の学校に似た制服を着ている女子高生もいる。さらに、女子高生たちの一部には下着だったり半裸の写真を上げていたりして、そういう子の写真を狙うんです」(現役構成員)

 なりすましのアカウントを仮にA子としよう。A子は東京近郊に住む女子高生で、出会いを求めており、性的な話にも興味がある。また自撮りが大好きで、たまに”セクシーな写メ”を撮影することもあり、写真交換にも応じる、といったプロフィールが設定され、出会い系サイトやSNS上にアカウントが開設される。

 すると間もなく、A子のアカウントには複数の男性からメッセージが届き、”いいね”される。A子は、プロフィールに反応してきた男性のアカウントと様々な話(メッセージ)を交わす。学校の帰りにどこに行った、昨日は夜更かしした、学校で友達と喧嘩したなど、リアルな女子高生のフリをするが、やり取りをしていく中で、セクシーな写メを交換しないかと、なんとなく匂わせる。

「拾ってきた女性の写メの中から、比較的露出の多い写真をピックアップして、相手に送る。すると、男も半裸の写真や動画、また性器が写ったものを送ってくるんです。こうなれば”こっちのもの”。相手の弱みを握ったも同然です。さらに過激な写メ、動画が欲しいなら、iTuneカードやアマゾンギフトカードなど、電子マネーのコードを送れ、そう切り出すのです」

関連記事

トピックス

NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
被害者の村上隆一さんの自宅。死因は失血死だった
《売春させ、売り上げが落ちると制裁》宮城・柴田町男性殺害 被害者の長男の妻を頂点とした“売春・美人局グループ”の壮絶手口
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
突然の「非常戒厳」は、国際社会にも衝撃を与えた
韓国・尹錫悦大統領の戒厳令は妻を守るためだったのか「占い師の囁きで大統領府移転を指示」「株価操作」「高級バッグ授受」…噴出する数々の疑惑
女性セブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン