ライフ

歴史教科書見直し問題 困惑する上杉家と余裕の武田家

上杉謙信が教科書から消える?(写真:首藤光一/AFLO)

 高校と大学の教員らで構成する「高大連携歴史教育研究会」(会長=油井大三郎・東大名誉教授)による歴史用語の「精選案」が波紋を広げている。同会は、大学入試や高校の授業が暗記中心になり、歴史の収録用語が膨張傾向にある問題を指摘して、用語を現在の半分程度に減らすよう提言した。日本人なら誰もが知っている偉人も削除候補になり、幕末の英雄・坂本龍馬も対象だ。名だたる戦国武将たちも篩(ふるい)にかけられた。

「謙信が消えるかもしれない……そういう動きがあることは初めて知りました」

 困惑した表情を浮かべるのは、上杉謙信の直系子孫で上杉家17代当主の上杉邦憲氏だ。

「そうですね、謙信を教科書に載せないことについて、文句を言いたいとは思いません。大昔から数えていけば、“偉人”だって膨大な人数になりますしね。ただ、戦国時代は室町幕府の滅亡から始まり、江戸幕府の成立に至るまで、とてもダイナミックに流れていくでしょう。そうした流れを理解するうえで、“川中島の戦い”などは教科書に残してもいいんじゃないかとは感じます」

 今回の精選案では、上杉謙信と川中島で相対した武田信玄も削除候補となっている。ただし、大名としての「武田氏」が今川氏、朝倉氏などとともに教科書に残すべきとされた一方、「上杉氏」はそこからも除外されていた。17代当主にとっては複雑だ。

「『武田氏』が残るなら、『上杉氏』も入れてほしいところではあります(笑い)。武田家は滅んだけど、上杉家は滅んでいないんだから」(邦憲氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン