朝八時半からの序ノ口を担当した審判はもう帰ってもよいとされているそうだ(映像での確認をするビデオ室係になれば残らなければならない)。以前国技館で八時半に土俵下に座っている佐ノ山親方(現九重親方)のむくんだ顔を見て、ウッワー眠そう、と思った。
ほんの少し前の現役中、大関千代大海は夕方五時半を体内時計の中心としてたたかっていたのだから八時半はきつい(寝ぼけまなことは対照的にソフトモヒカンはビシッときまっていて、中学時代九州一の不良であったことを思い出させた)。
引退直後の新米親方であるからして早朝から夕方までやる事がびっちりあるに違いないと思い勝手に「お疲れ様でございます」と頭を下げたのだが、今回の朝日山親方の話からすれば十一時前に解放される朝一はむしろおいしい役目ではないか。私だったら朝一を毎日担当したい、できればビデオ係なしで。
「取組の進行は審判が行う」は〇。十両の土俵入りは二時半なので、幕下の取組は二時二十九分に終わるのが理想。幕下以下は待った(蹲踞から仕切りまでの一連の所作)を一度して立つことになっているが、審判が時計を見ながら進行を計り、早すぎる場合には呼び出しに塩を用意させ通常は行わない塩まきをさせる時もある。
取組までの時間が幕内四分、十両二分と決められているのだ、と朝日山親方は審判部で仕事をするようになるまで思っていたのだそうだが(私もそう思っていた)、実際は懸賞の数と時刻を考慮し待ったの回数を変え、呼び出しにはタオルを渡させる(力士に向けて最後だとの合図)、行司には「時間いっぱいです」と伝える手信号を出しているとのこと。