芸能

篠田麻里子 体当たりのラブシーンでぶつかった「女優の壁」

体当たりのラブシーンに挑んだ篠田麻里子

 12月9日公開予定の映画『ビジランテ』。大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太演じる三兄弟を巡って巻き起こる、暴力的な人間模様を激しくも繊細に描いた作品だ。『SRサイタマノラッパー』シリーズなどで知られる入江悠監督がメガホンを取った。アクの強い俳優陣のなかで、彼らに負けずに、妖艶な演技で作品を彩るのが元AKB48の人気メンバーで女優の篠田麻里子だ。その撮影は極寒の正月に始まったのだという。

「1月4日だったと思うんですが、今年の仕事始めが体当たりのラブシーンの撮影でした。だから、気合いが入ったというか。だってお正月の撮影ですよ、そんなスタートの人いないですよね(笑)」

  篠田が演じるのは、次男の鈴木の妻役の女性・美貴。閉鎖的な地方政治の世界の裏側で、自身の美貌を駆使して男たちを翻弄し、権力と財産を得ようとする“悪女”という役どころだ。篠田は今作で自身初となる体当たりのラブシーンに挑戦している。

  アイドルから出発した彼女が、女優として“脱皮”した背景には何があったのか。本作について篠田本人が語った。

  正月にラブシーンの撮影からクランクインしたのには監督なりの意図があったという。

「撮影の時は説明して貰えなかったんですが、監督は『2人がちゃんとした夫婦になるためにあのシーンから撮った』そうなんです。インタビュー記事を読んで初めて知りました(笑)。たしかに、色々な意味で恥ずかしいところを見せるこのシーンから1年が始まったことで楽になれたし、良かったと思います。

  でも、今回の作品は『大胆』がテーマだったと思うんです。でも、その大胆さを突き抜けるのがなかなか難しくて、自分って小心者で、ちっちゃい人間だったんだなって落ち込みました。自分の殻に閉じこもる部分があるので、もっと素直に大胆でいられるようになりたいですね」

  アイドルとして駆け抜けた時代は、大胆に歌って踊っていたように見えたが、そこには「アイドル」と「女優」の違いがあると明かす。

 「やっぱりアイドルの方が女優より楽だなって思うんです。言っちゃうと、アイドルは作れば良いけど女優はさらけ出さなきゃいけない(笑)。それで、さらけ出すって勇気のいることだし、そこを越えて人間味を感じてもらうのが魅力だと思う。

  逆にアイドルは自分をどう見せるかが大事です。でも一生懸命その姿を考えてアイドルとしての自分を作っていけば、ある意味『自分を隠している』ので、生きていく上では楽ですね。女優としては篠田麻里子という『自分らしさ』をさらけ出していくのが今後の目標です」

  アイドルとして頂点に立った篠田は、この作品である意味「真逆」の作らない自分をさらけ出している。本人は撮影を通して「突き抜ける難しさ」を感じたというが、大きな挑戦を経て、1つ突き抜けた姿をスクリーンで披露できたことは間違いない。映画『ビジランテ』での演技がそれを証明している。

 プロフィール●しのだ・まりこ/1986年、福岡県生まれ。AKB48の第1期生オーディションに落ちるも、劇場併設のアルバイト中の2006年にファンの声でメンバーとして加入。以後、アイドルだけでなく、モデルや女優としてもマルチに活躍。2013年のグループ卒業後は、本格的に女優として活動している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン