「貴乃花親方は巡業部長の更迭はもちろん、理事からの降格処分も覚悟のうえで勝負に出ている。事件の最高責任者として、『八角理事長辞任』につながるまで、矛を収めることはない。また、自らが現役時代から貫いてきたガチンコ相撲を角界全体に広げていく上で、部屋を超えた同郷の付き合いを重んじるモンゴル勢の“互助会”は大きな障害になると考えられる。事件を機に、その解体まで見据えているんじゃないか」
だとすれば、日馬富士が引退した今、貴乃花親方と最も激しく対立するのが白鵬になるのは必然である。
「伸るか反るかの勝負に出た貴乃花親方が、仮に今回の権力闘争で敗れるようなことがあれば、白鵬にものが言える人は角界から一人もいなくなってしまう」(同前)と危惧する声が聞こえてくる。角界を揺るがす事件は、新たな重大局面を迎えた。
※週刊ポスト2017年12月15日号