2人の「天才」が揃い踏み──将棋で史上初めての「永世七冠」を達成した羽生善治氏(47)と、囲碁で自身2度目となる七冠独占を果たした井山裕太氏(28)に対して、政府が国民栄誉賞の授与を検討していることが明らかになった。菅義偉官房長官は、「広く国民に親しまれている将棋・囲碁の分野において多くの国民に感動を与えた」と述べた。写真は、19歳差の2人が揃った貴重なショットである。
2人は、2015年に週刊ポスト誌上で対談。当時、羽生氏は名人・王位・王座・棋聖の4冠、井山氏は棋聖・名人・本因坊・碁聖の4冠で、合わせて「8冠対談」、2人は「先を読む力」について語り合った。井山氏は、「何手先まで読もうか、とは考えたことがないですね。パッと局面を見たときに、直感で判断するというか」と話し、「具体的に検討するのは5通りくらいではないでしょうか」とも語っていた。
それに対して「えっ、それだけ」と驚いた羽生氏は、「将棋は局地戦になりやすいから、有力な手が5つも10もあるわけではないし、私の場合、今は大体、2つか3つに絞って80種類くらいの変化を考える」と語った。
この「8冠対談」からわずか2年。羽生氏は今年永世竜王を獲得して「永世七冠」、井山氏も昨年「史上初の七冠独占」を達成したのに続いて今年は「2度目の七冠独占」となり、今回の栄誉につながった。ますますの活躍を期待したい。
◆撮影/藤岡雅樹