──10代、20代はアイドル活動で忙しかったでしょうし、相手も芸能人なら時間も合わない。別れるときはそんな「すれ違い」が原因になることが多かった?
「私は一度付き合うと結構長いほうなんです。でも、なぜか付き合う人は“やきもち焼き”が多く、一緒にいる時間が長くなればなるほど、小さな物の考え方や細かいことが原因で別れてしまう。価値観の違いといってしまえばそれまでですが……。
喧嘩をしたとき、怒鳴り合いは無駄なエネルギーを使って傷つけあうことが多いので、私は結構常に冷静なんです。よく相手からは、『頭にきていることがあったら騒いでくれたほうが楽だ』と言われます」
──これまで一般人ともお付き合いした経験があるとのことですが、芸能関係者と違って恋愛で難しい点はありますか?
「相手の方に“芸能人・杉浦幸”だと思われて付き合うのが一番厄介ですね。たとえ私に対して特別な印象がなくても、芸能人はいつもキレイで、毎朝起きたときはテレビに出ている出来上がった状態の私がいると思っている。
そんなことあるわけないですよね。いつも笑ってばかりいませんし、二日酔いで体調が悪い時だってある(笑い)。でも、これは永遠のテーマですね。私の内情を分かってくれる同業者と付き合うのがいいのか、同業者ゆえにうまくいかないのか……」
──アイドル時代に人目を忍んだ恋愛を含め、いろいろな経験を経て、いまは男性とも自然体でお付き合いできているのではないですか?
「そうですね。若いころは10代で結婚、20代で出産という人生設計を描いていたこともありましたが、いまは特別に結婚を焦っているわけではないし、30代以降は一人で過ごす時間の楽しみ方も知りました。むしろ、どうやったら老後に穏やかな毎日を暮らせるのか、なんて考えちゃいます(笑い)
これからは、気付いたらずっと傍にいるような男性とのんびり温泉に行ったり、お酒を飲んで人生について語り合ったりするのがいいですね。その末に『結婚』という言葉を自然と意識するようになったら、一緒になるかもしれません」
──11月には、様々な恋愛模様をイメージさせる新曲『密やかな恋』をリリースしました。噂によりますと、現在お付き合いされている一般人の方がいるとか。
「好きな方はいますが、片思いの状況を楽しんでいます。これも“密やかな恋”ですね(笑い)。今は専念しなければならない仕事もありますし、すぐにお付き合いして結婚ということにはならないと思いますが、相手への好意が自分のハリにつながったり、『今、彼はどうしているのかな』と思ったりすることが、自分の気持ちの切り替えスイッチになっている。
そういう肩肘をはらない恋愛ができるようになってから、いろいろなことが楽しめるようになったんです」
●杉浦幸(すぎうら・みゆき)/1969年4月5日生まれ、東京都出身。1985年、中学卒業後に雑誌『Momoco』に登場し注目され、同年12月、主演ドラマ『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)でデビュー。清純派アイドルとして人気を博す。翌年にはシングル『悲しいな』で歌手活動を開始。2016年には芸能活動30周年を迎え、新曲『密(ひそ)やかな恋』を発売中のほか、自身が厳選した犬グッズを扱うセレクトショップ「mauMina」(マウミーナ)が12月28日オープン。最新情報はオフィシャルブログ『Behind The Mirror』で公開中。
■撮影/渡辺利博