ビジネス

雪印乳業社史 110ページにわたり食中毒、牛肉偽装事件を反省

事件当時、雪印の商品が店頭から消えた(時事通信フォト)

 企業の歩みには輝かしい成功だけでなく思い出したくない失敗もある。そんな「負の歴史」と向き合い、社史に克明に記す企業もある。

 2000年に集団食中毒事件、2002年に子会社による牛肉偽装事件を引き起こした雪印乳業は、解体と再編を経て2011年に雪印メグミルクとなったが、2016年には『雪印乳業史 第七巻』を刊行。雪印乳業としての最後の社史では、実に110ページ以上にわたって2つの事件を振り返っている。

 大阪工場製造の低脂肪乳などで1万3000人以上の食中毒被害者を生み出した事件について、日時を丹念に追って記録。原因となった工場の衛生上の問題点などを詳細に記し、次のように記述する。

〈食中毒事件を大きくした原因の一つとして、各方面から初期動作の誤りが指摘された。その中でも問題となったのは情報開示の遅れと報道対応のまずさであった〉

 として、〈謝罪と原因説明の社長会見で、あいまいな情報を事実確認せずに発表したため、後日事実が2転3転したことは当社の信用を大きく失墜させ、また、担当者が発表したことを社長が知らなかったことから、社内の連絡体制の悪さを露呈した〉

 なお、この会見(2000年7月4日)後に当時の社長が「私は寝てないんだよ」と吐き捨てたことが火に油を注いだ。

 社史では〈役員など幹部の不用意な発言が繰り返されたことなどにより、メディアの批判が一気に拡大し、当社への不信と社会の不安を一層増幅させる結果となった〉と振り返っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン