国際情報

慰安婦問題 繰り返される手のひら返しと河野談話への流れ

嘘と裏切りの歴史に新たな1ページが刻まれた(共同通信社)

 泣く子は餅を一つ余計もらえる──。大きな声を上げた者が優遇されるという意味の韓国の諺だが、国際交渉の場で大統領にその教えを“実践”されてはたまったものではない。

「おばあさんたちの意思に反する合意をしたことに対し大統領として謝罪する」

 文在寅大統領は1月4日、韓国人元慰安婦を青瓦台(大統領府)に招いて昼食会を開き、慰安婦に関する日韓合意について「誤りだった」とする立場を表明した。2015年に結ばれた日韓合意は「最終かつ不可逆的な解決」という強い文言が盛り込まれた“蒸し返さない約束”のはずである。

 にもかかわらず、9日には康京和外相が韓国政府の“新方針”を発表。「合意を巡る再交渉は求めない」とする一方で、日本に「自発的な謝罪を期待する」とさらなる要求を持ち出してきた。加えて日本政府が元慰安婦支援のための「和解・癒やし財団」に拠出した10億円を“凍結”。同額を韓国政府の予算で充当し、財団の扱いは日本政府と協議するとした。文大統領は、「間違った結び目は解かなければならない」と宣言、「不可逆的な解決」をひっくり返そうとしているのだ。

 またしても、である。慰安婦問題を巡る日韓交渉は、韓国政府によって幾度となく繰り返される「手のひら返し」の歴史といっても過言ではない。元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏はこういう。

「そもそも日韓の過去の補償問題は、1965年の日韓基本条約および日韓請求権協定で解決済みだった。両国が『完全かつ最終的に解決された』と宣言し、5億ドルが日本政府から韓国に提供された。請求権協定は交通事故の示談と同じで、一度合意されれば二度とその話は持ち出さないはずのものです」

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン