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103歳の女性報道写真家 「デジタルカメラは使いにくい」

まだまだ写真への情熱は衰えない

「人生100年時代」とは、単にその年齢まで命を永らえさせることではない。大事なのは、100歳まで、そして100歳を超えたその後をどう生きるかだ。

 神奈川県在住の笹本恒子さん(103)は、“日本初の女性報道写真家”として知られる。入居する老人ホームを仕事場に、カメラ片手に写真家として活動している。80年近く写真家として仕事を続けてこられたコツは「怠けること」だと笹本さんは言う。

「朝起きて、毎日毎日カメラのことを考えるのではなく、しばらく他のことをしていて、ひょこひょこっと撮ったりしてきました。

 若い頃は絵を描いたり、洋裁をやったり、フラワーデザインの本を出したりと、食べていくためにとにかく何でもやりました。でも、カメラはいつだって自分の側にありました。いろいろな仕事をしましたが、全部写真につながっていったんだと思います」

 写真を始めたのは25歳。アルバイトで挿絵を描いていた東京日日新聞(現・毎日新聞)の記者に誘われたのがきっかけだった。

「数寄屋橋にあった写真協会の事務所に行って報道写真を見せられました。アメリカでは女性の報道写真家もいて、毎週読んでいた『LIFE』誌の表紙をマーガレット・バーク・ホワイトさんという女性が撮っていると聞き、時代が時代ですので衝撃を受けました」

 1960年の安保闘争をはじめ、愛用のライカを片手に危険な現場にも足を運んだ。

「絵を描いている頃は『写真なんて』と思っていたのですが、やり始めると写真の世界の奥深さに気づきました。写真は自分が想像した以上に大変なものだとわかりました。写真の良さは嘘がつけないところ。私は人間を撮るのが好きで、『残さなければいけない』と思ったものを残していく使命感もありました」

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