国際情報

中国の愛人契約詐欺集団 19歳女性を手玉にとった方法

弱みにつけこまれると大変(写真:アフロ)

 日本でも「パパ活」なる言葉が一般化しつつあるが、やはりリスクとは背中合わせと考えざるをえない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 習近平指導部が進める反腐敗キャンペーンにより、多くの腐敗官僚が摘発されてきた中国だが、党中央が「生活腐敗」と呼ぶ、男女の乱れはまだまだ盛んであるようだ。それを連想させる社会の動きがメディアに盛んに報じられるようになったのは、2017年末からのことである。

「愛人契約詐欺」と呼ばれる犯罪の蔓延である。いったい何が「愛人契約詐欺」なのだろうか。

 貧しい暮らしをしている女性がまだまだ多い中国では、ネット上に愛人希望の女性の呼びかけが頻繁にアップされているのだが、先の集団はまさしくそうした女性たちをターゲットにするという。

『都市快報』が2017年末に報じたケースの被害者は、浙江省寧波に住むまだ19歳の女性だった。

 最初に女性が詐欺グループの男と接点を持ったのは「毎月30万元(510万円)で愛人」というミニブログの一文からだった。

 間もなく女性は男と接触。会って話しているうちに男性から「とりあえず52万元を支払うから、愛人になってほしい」と誘われ、実際に彼女のスマホにも入金情報が送られてくる。

 ただ、ここからが問題で、送金されてきた情報はそもそもネットを使った仕掛けであり、その上、「金額が高額なことから引き出すのには手数料が必要」という通知が入るのである。

 請求されたのは7000元(約11万9000円)であった。

 通常であれば簡単に払うようなものではないが、「30万元」のためであればという感覚に陥る。その後、男は「52万元」がまだ引き出されていないのに、新たに「66万元を振り込んだ」、今度は「88万元を」というように矢継ぎ早に振り込みをしてきたという。

 女性はそのたびに手数料を振り込み続けたのだが、その結末は想像の通りである。

 結局、彼女は相手から一銭も得られないまま、3万元(約51万円)ものカネを騙し取られ、さらに悪いことに親友にもこの「おいしい話」を進めたため、彼女たちにも被害を広げてしまったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン