12月20日に開かれた理事会の席上、貴乃花親方の主張を記した文書が配布されたことは複数のメディアが報じており、貴乃花親方の“独自報告書”などと呼ばれているが、この証言者が明かした「意見書」は、それとは別のものだ。
「これまで報じられているものより、さらに詳細な反論が綴られている。たとえば協会側の報告書では、物を持って貴ノ岩を殴ろうとした日馬富士を白鵬が制したことになっていますが、貴ノ岩の供述では全く違っているという話が記されている。白鵬は暴行をしばらく放置し、さらに人目につかないよう同席していたホステスを部屋の外に出すなどしていたというのです。この内容が明らかになれば、これまで協会が“確定した事実”として公表したことの多くについて、実際は当事者間で言い分が大きく異なっていたことが明らかになる。
また、事件発覚後、執行部が貴乃花親方に執拗に被害届の取り下げを求めていたことや、危機管理委員会による貴ノ岩への聞き取りの際、示談を促されたといった経緯も記されている。協会が事件を“矮小化”しようと必死だったことが読み取れるのです」(同前)
協会に対し、貴乃花親方の「意見書」にあるとされる内容をぶつけたが「協会の見解は調査報告書にある通り」とするのみだった。
大手メディアが、協会側の報告書の内容を“事実”として報じてきた以上、克明な反論が明らかになれば、事態が動く可能性は高い。
「学生出身グループの親方をはじめ、貴乃花親方と八角理事長のどちらが優勢かを注視している親方は少なくない。貴乃花親方が反論のために取っておいた“爆弾”の威力が大きければ、形勢は一気に逆転しかねない」(前出のベテラン記者)
激しさを増す権力闘争。運命の千秋楽まで、もうすぐだ。
※週刊ポスト2018年2月2日号