大勢の見学者に手を振る両陛下(撮影:横田紋子)
戦前までは、国民はお召し列車の前で頭を下げ、列車を見ることすらできなかった。いま目にすることができるのは、両陛下が車窓から沿道の人々に手を振る姿だ。
「両陛下がお召し列車に乗っておられるときも、沿線に歓迎の人々がいれば、お立ちになってお手振りをされます。移動中は休んでいただきたいと、ご体調を気遣う声もありますが、こうした国民との触れ合いは、両陛下の喜びにもなっているでしょう」(山下氏)
今上天皇が退位する平成31年4月30日まで1年余りとなった。平成最後のお召し列車を目にする機会は、いつ訪れるのだろうか。
●取材・文/戸田梨恵
※週刊ポスト2018年3月9日号