当初80%を上回った文大統領の支持率は初めて60%を切った(リアルメーター調べ。1月25日付で59.8%。現在は60台前半で推移)。政府は、「これから若い世代の立場をもっと考慮した政策を出す」と言っているが、展望は明るくない。北朝鮮に今後、支援を行えば、米国と関係が悪化し、国際的にも孤立することになる。もはや、北朝鮮を「同胞」と捉えない傾向のある若者たちは理想よりも生活の安定を何よりも望むだけに、国政の推進力もグンと落ちる。

 このまま北に恩義を与え続ければ、文政権の屋台骨はますます揺らぐだろう。

【PROFILE】朴承ミン(パク・スンミン)/時事通信の元ソウル支局記者。長年、北朝鮮問題と韓国政治を取材。その間に平壌と開城工業団地、金剛山など北朝鮮の現地を5回ほど訪問取材。現在、韓国と日本のメディアに寄稿している。

※SAPIO2018年3・4月号

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