「中学や高校では、一部に不適切な行動や、授業を妨害するような人がいても、しっかり者の女子生徒がいたり、周囲が同調しなかったりすることで、クラス全体が崩壊するということは少ない。しかし、小学校低学年の場合はクラスの1割が勝手なことをし始めると、連鎖的に落ち着きのなさが広がっていきます。先生が注意しても、そもそも先生の気を引くことが目的なので、火に油を注ぐことにもなりかねない。
さらに言うと、昔の教育現場では“ヤンチャで手がかかる低学年の子は、適切な指導を繰り返すことでやがて高学年になったら落ち着くだろう”という大らかさというか、穏やかさがありました。しかし、最近の先生は真面目で、低学年の頃でも落ち着きのない子をつきっきりで面倒を見ます。そうすると、放っておかれるのはクラスの大半の大人しい子たちで、彼らも“学校はおもしろくない”となって、荒れていく。悪循環になっているんです」
かまってほしい子供が増えている理由は、親と子の関係の変化だという。
「親が子供に『過干渉』になったことで、子供が家の外でも誰かに頼ったり、甘えたり、かまってもらうことが当たり前だと思うようになりました。昔は子供が多く、きょうだいなど上の子が下の子を見てくれるだろうと、ある程度、親は子供を放っておきましたよ。それは必然的に子供が自立心を持って行動できるように育つことに繋がっていました。でも今は一人っ子も多いですし、親がつきっきりでかまってくれるのに慣れた子が増えた」(前出・増田さん)
対策が急務だ。
※女性セブン2018年3月22日号