今年のMARCH合計合格者のトップは昨年6位だった山手学院(神奈川県横浜市)が494人合格で、トップに返り咲いた。10年前は292人だったから202人も合格者を増やしている。特に明治大が64人増と大きく伸びた。
2位の大宮開成(埼玉県さいたま市)は昨年の7位からの躍進だ。446人合格だった。立教大、中央大、法政大の3大学で合格者数トップだった。2005年に中高一貫部を開設し、実績を伸ばしてきている。埼玉の中高一貫校では栄東と開智の実績が高いが、それに続くのではとみられ人気が上がっている。
大宮開成は昨年、1階に図書室、2階に個人ブース200席がある自習室を設けた図書館が竣工。今の高校生は家で勉強するよりも、学校や塾の自習室で勉強する。周りに仲間がいて、頑張っている姿を見ながら、自分も頑張るわけだ。10年前と比べて、303人増で、最も合格者を増やした学校だ。昨年は京大1人、一橋大3人、東京工業大に2人合格している。
その他、10年前と比べると、大きく合格者数を伸ばしている学校もある。10年前にMARCHに1人しか合格していなかった広尾学園(東京都港区)は、今年は202人の合格だ。
広尾学園はもとは順心女子学園だったが、2007年に校名を変更し共学校となった。中高にインターナショナルコースを設け、グローバル教育、ICT教育の草分け的な学校といえる。中高一貫生が初めて卒業した頃から実績が伸び始め、昨年は東大に6人、京大に5人、一橋大に3人、東京工業大に4人合格している。
東京都市大等々力(東京都世田谷区)も10年前の1人合格から175人に伸びた。もとは東横学園だったが、同じ法人の東京都市大の付属校になってから、実績はうなぎのぼりだ。
埼玉の昌平(埼玉県北葛飾郡)も10年前はMARCHに4人しか合格者がいなかった。それが今では104人増の108人合格だ。もとは東和大付昌平だったが、今は大学付属校ではなくなり進学校に変わった。合格実績も伸び、昨年は東大に2人合格、京大にも合格者を送り出した。これで東大合格者は3年連続だ。文武両道を実践し、合格実績を伸ばしながらJリーガーなども輩出している。
宝仙学園(東京都中野区)も10年前の合格者は1人だった。今年は100人合格で99人増だ。同校はもともと女子校だったが、2007年に共学部の理数インターを設置し、初めて卒業生を送り出してから実績が伸びてきている。グローバル教育に力を入れる一方、理数教育にも力を入れている。昨年は東大合格者も送り出している。