●杉本語録その3「同じ関西の棋士なので、またいつか対局する日がある。そのときは藤井六段はさらに成長していると思う。もう一回、対局したい」

【見習うべきポイント】記者の「また対戦したいか?」という質問に答えて。同じチームでの仕事がひと段落したときや、すっかり成長した後輩が栄転したり他社に転職したりする場合は、「またいつかいっしょに仕事をしたい」と言うのが先輩としての何よりのエールに他なりません。そして「そのときは今以上に成長しているだろうと思うと、とっても楽しみだよ」と言っておくことで、先輩としての貫録らしきものを見せつけた気になれます。

 もちろん、杉本七段にはこんな姑息な意図はまったくなく、人柄の素晴らしさと懐の深さが反映したセリフであることは言うまでもありません。しかし凡人である私たちは、よっぽど意識していないと、嫉妬丸出しのみっともない言動をしてしまいそうです。せめてうわべだけでもいいから、「恩返し」されがちなおっさんとしての意地を示しましょう。

「恩返し」したほうの藤井六段も、「一手、一手、とても難しい将棋だった。最後までわからなかった」「師匠にはたくさん教えていただいた。公式戦の舞台で対局できて、本当にうれしい。これからもさらに活躍していかねばと」など、味わい深い言葉を多く発してくれました。こっちはこっちで、先輩に「恩返し」した場合に備えて学ぶべき点がたくさんありそうです。ただ、自分も含めて大半のおっさんにとって、そういう機会が訪れる機会はまずなさそうなので、今回は省略しました。あしからず。

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