ライフ

血液検査ミアテスト 6ccの採血でがんの早期発見

ミアテストの分析風景(広島大学提供)

 がんを発症すると、その部位に応じて異なるタイプのマイクロRNA(遺伝子の一種)が血液中に混じり込む。それを利用して、がんリスクを検査するのが「ミアテスト」という血液検査だ。採血で血中に含まれるマイクロRNAが検出されれば膵臓がん、乳がんに罹患している確率は90%以上だという。

 従来の検査法と比較して、早期発見できることも強みだ。開発した広島大学の田原栄俊教授(細胞分子生物学)が解説する。

「腫瘍マーカーはある程度がんが進行しないと検知できません。CTでも腫瘍が1cm以上の大きさでないと見つけにくい。対するミアテストは、がん細胞由来のマイクロRNAがわずかでも血中にあれば、1期や、それより早期のがんも検知できます」

 測定結果は、リスクが低い方から「A~E」の5段階で評価される。D以上は精密検査を勧められる。費用は保険適用外で、3万5000~6万5000円だ。

 現在は早期発見が重要視される膵臓と乳がんの2種類(がん以外では認知症検査)を優先して実用化を行なってきたが、今後、幅が広がっていく可能性がある。

「4月から胃、大腸、肺、肝臓、食道、頭頚部、腎臓、前立腺、甲状腺、卵巣、子宮頚部のがんと脳腫瘍を対象とした試験が始まります。今後はより詳細に分析できるようになるため、腫瘍が良性なのか悪性なのか、転移性なのか、どの抗がん剤が効くのかといった“がんの性格”まで調べることができるようになると期待されています」(同前)

 6ccの採血であらゆるがんを発見できる日が近づいている。

※週刊ポスト2018年3月23・30日号

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン