すべての記事について「独自取材」や「徹底したリサーチ」をして執筆していると自称する管理者。居住地は四国地方のとある 町で、SNSで綴られている日常によれば家族は幼い子供が二人、建設会社勤務の旦那がいて、新築した自宅の庭でたまにBBQを楽しむ、どこからどう見ても普通の主婦にしか思えない。

 いや、プロフィールだけで判断するのは早計だ。かつては敏腕芸能記者で、結婚を機に四国へ渡り、地方在住となっても独自取材網を生かしてブログを執筆し、小遣い稼ぎをしているのかもしれない……。ドメイン管理者情報にあったメールアドレス宛にメールをするも返信なし。というわけで同じく記載されていた携帯番号に電話をかけてみると、あっさり繋がった!以下、筆者と管理者であるらしい藤本由美子さん(仮名)と のやりとりだ。

──突然すいません。藤本さんですよね。私、ライターの森と申します。
藤本「はいそうですが……っていうか誰ですか?」
──実は、藤本さんのブログを拝見しまして、ぜひお話をお伺いしたいと思いまして……
藤本「ブログ? えっ……あっ!」
──あれ? 藤本さん? もしもーし?

 一方的に電話が切られた後、ずっと返信がこなかったアドレスから「旦那がいますので後ほど電話します」とメールが届いた。以下、二回目の電話のやりとり。

藤本「なぜ私にかけてきたんですか? ブログってどのブログですか?」
──芸能人Xさんが「覚せい剤中毒である」という記事が掲載されている「××」というブログです
藤本「なんですかそれ……。私はブログやりませんし知らないです……」
──えっ? 「××」は藤本さんのブログではないですか?
藤本「……はい」
──でも、ブログのドメインは藤本さんの所有ですよね。携帯番号やメールアドレス、住所も記載されていますよ
藤本「えっ? どうやって見られるんですか? 誰かが私になりすましているのかも……」
──でも藤本さん、フェイスブックで「××」ブログの記事をシェアしてますよね。「いいね」もつけている。
藤本「それは……覚えていません」
──フェイスブックも乗っ取られているとか? 「××」ブログ、本当に知らないですか?
藤本「……」
──最後に確認させてください。藤本さんのブログではないですか?
藤本「……ごめんなさい。私のブログです。すみません、訴えるとかやめてください。ホントに……」

 こうして、問題のブログ記事を書いたのが自身であることをあっさり認めた藤本さん。電話口からすすり泣く声が聞こえてきて気の毒になるが、筆者は警察でもなければ、芸能人Xでもない。知りたいのは、藤本さんがどういった経緯であのような記事を書いたのか、そしてその情報をどこで入手したものなのか、という事だけだ。藤本さん自身が詳細に語ってくれた。

「”まとめサイト”で収入が得られると知って、一昨年ブログを開設しました。ネットの書き込みや掲示板に書いてある事をまとめて記事にしただけで、取材はしていません……。もちろん、独自の情報源も……。ブログを開設してから十数本記事を書きましたが、サイト閲覧者は月に数百人で、収益は数十円ほど。最初はURLを掲示板に貼ったり、ツイッターのアカウントを作って記事を拡散させようとしましたが、まったく収益は増えず、そのうちブログにログインするパスワードも忘れてしまい、放置していたんです……」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン