有名チェーン店の進出やご当地料理、オリジナルメニューの数々など、近年、高速道路に点在するサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の「食」が注目されている。なぜ、“SAグルメ”はここまで進化したのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。
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「よっしや!」という歓声が参加関係者席からあがります。続いて壇上の真ん中に進み出た料理長を写そうというカメラマンのフラッシュの嵐。グランプリに選ばれた料理長は、誇らしげな笑顔を見せてくれました。3月20日に開催された「平成29年度 NEXCO東日本 新メニューコンテスト 決勝大会」の結果発表の瞬間です。
これは名前の通り、高速道路のNEXCO東日本が開催した料理コンテストで、参加者はNEXCO東日本エリアにあるSA/PAのレストラン。
今年のテーマは「地元の食材」「SNS映え」「美味しさ」の3つ。そのテーマを踏まえた新しいメニューを考案し、その内容を審査するというコンテストで、昨年暮れの予選会を勝ち抜いた10店舗のメニューからグランプリが選び出されました。
今年の覇者は、常磐自動車道路・友部SA(上り)。なんと、過去4年で3度目のグランプリを獲得したという強者です。誇らしげな笑顔も当然でしょう。
SAやPAの料理人が、独自な料理を生み出して、その味を競う。それが「新メニューコンテスト」です。競い合うことで、料理人はモチベーションが高まり、腕も磨かれます。グランプリを獲得した料理は話題となって、実際の店舗でも数多く売れます。過去4年間で友部SA(上り)では、グランプリメニューが10万食も売れたとか。そういう意味では、ホール担当のスタッフも他人事ではありません。
ちなみに決勝大会の途中には、メディア向けの試食タイムも用意されており、筆者も味を確かめました。が、決勝に出品された10食は、どれも彩り豊かで味も抜群。正直、どこが勝ってもおかしくないような高いレベルでした。
高速道路のSA/PAの料理は、道路公団の時代とは、隔世の感があるほど向上しています。その理由は、2005年の道路公団民営化です。