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貴乃花親方が異動した審判部の親方衆に周到な顔ぶれ並ぶ

八角理事長の狙いは(共同通信社)

 日本相撲協会執行部と真っ向対立を続けてきた貴乃花親方が「一兵卒として出直す」と全面降伏した。そして、「年寄」への2階級降格と、職務を「審判部」に配すという辞令が出た。貴乃花親方の周囲に配された審判部の親方衆の顔ぶれも周到だ。

 まず、“上司”にあたる審判部長には、貴乃花一門から新たに理事に選出された阿武松親方(元関脇・益荒雄)が配された。2月の理事選で、貴乃花一門の親方衆は貴乃花親方ではなく阿武松親方に投票。貴乃花親方は落選し、以来、一門内の結束に亀裂が入ったとされてきた。

「初めて理事になった親方は『相撲教習所長』が慣例ですが、あえて阿武松親方を花形である審判部長に据えた。執行部としてはいい役職を与えて取り込みたいという意図があるはずだし、なにより“貴乃花が再び反旗を翻さないように監視せよ”という踏み絵のような役回りを与えたかたちです」(二所ノ関一門関係者)

 その阿武松親方の脇を固める「審判副部長」の人選も興味深い。貴乃花親方とは犬猿の仲である高田川親方(元関脇・安芸乃島)に加え、年寄会会長として貴乃花親方に対して何度も説明を求めてきた錦戸親方(元関脇・水戸泉)、そして副理事でもある藤島親方(元大関・武双山)の3人が選ばれた。

「高田川親方と錦戸親方は、副部長就任に加えて役員待遇への昇格も決まった。これは貴乃花追及に貢献したことへの論功行賞でしょう。さらに藤島親方は、角界最大派閥である出羽海一門の“若手エース”。貴乃花親方と同世代にあたる将来の理事長候補です。

 阿武松親方はいわゆる“調整型”の人で、年寄総会直前には、貴乃花親方の解雇を阻止するために嘆願書を提出するなどしていた。審判部内で再び貴乃花一門が反執行部で結束したりしないように、副部長3人が本当の監視役になる。

 実際、他にも審判部には貴シンパとされてきた湊親方(元前頭・湊富士)、玉ノ井親方(元大関・栃東)、九重親方(元大関・千代大海)、浅香山親方(元大関・魁皇)、時津風親方(元前頭・時津海)、二子山親方(元大関・雅山)、西岩親方(元関脇・若の里)らの名前が並ぶ。まとめて監視対象とするつもりではないか」(同前)

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