他の理事たちの新たな職務分掌を見ても、ナンバー2の事業部長は尾車親方(元大関・琴風)が続投となり、広報部長として貴乃花親方と対立してきた春日野親方(元関脇・栃乃和歌)は巡業部長に“栄転”している。
「執行部が貴乃花親方の契約解除を回避したことで、阿武松親方も理事としては協調路線を歩まざるを得なくなる。貴乃花親方の処遇は難しかったが、この監視態勢がうまく機能すれば、八角理事長は盤石になる」(ベテラン記者)
ただ、貴乃花親方が恭順の意を示して執行部に従ったとしても、その経緯からして、暴力問題などの不祥事を表沙汰にしようとしない協会の体質が改まったとはいえない。“巧妙な懲罰人事”が思わぬ渦恨を残す可能性もある。八角理事長は28日の会見で、「100年先にも大相撲という“ちょんまげ文化”を残したい」と意気込みを語ったが、角界の先行きは、まだまだ不透明だ。
※週刊ポスト2018年4月13日号