「担任の先生は、もう10年以上も講師を続けているというベテランだったので安心していたのですが、勉強についていけない子どもを平気で放っておいたり、子ども同士のケンカも見て見ぬフリをしたりと、どうやら親身な指導をしていないようなんです。

 そうしたクラス内の問題を学年主任など他の先生に相談もしていないようですし……。どうせ1年だけだからと、いい加減な指導をしているのだとしたら許せません」

 この母親がいうように、常勤講師の任期は地方公務員法に基づき、事実上1年となっている。中には特例的に同じ学校で再任用されるケースもあるが、みな1年以内で一旦契約が終了。引き続き講師の要請があれば、違う学校に移って新契約を結び、また1年間講師を続けるという繰り返しが一般的だ。

「講師は次年度に再任されるかどうか分からないため、正規職員のようにある程度長いスパンでの指導や取り組みができません。また、同じ学校での再任用の権限は実質的に配属先の校長や市町村教育委員会などが握っているため、マイナス評価につながるようなことを嫌う傾向があります。

 そのため、いじめや不登校などの問題が発生しても、報告したり相談したりすることができず、結果、事態が悪化するケースはよくあります」(前出・斎藤氏)

 もちろん、子どもが大好きで熱血指導をモットーに教壇に立ち続ける常勤講師もたくさんいる。だが、制度上の問題で、どうしてもその場しのぎや場当たり主義が蔓延してしまうのだという。

 また、常勤講師のモチベーションが上がらないのは、正規職員との賃金格差の理由も大きい。

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン