「フルタイムの常勤講師の給与は正規職員に準じるのが原則ですが、多くの都道府県が昇給に“上限”を設定しており、正規職員と同じ仕事をしているにもかかわらず、給与水準はボーナスを含めると正規職員よりはるかに低いのが現状です」(斎藤氏)

 ある自治体では、正規職員が40代にもなれば給料月額は標準で40万円前後まで上がるが、同じ年代、キャリアでも常勤講師は20数万円という低水準。しかも、講師の場合は10~15年勤務しても30万円程度で昇給がストップし、頭打ちになる自治体が多いという。

 さらに、前述のように講師は年度末に一度雇用契約を解除され、数日間のブランクを経て新年度に再び任用されるケースが多いため、退職金支給の対象とならないばかりか、勤続年数もカウントされないので賞与も“寸志”。生活が苦しく、アルバイトをしたり、中には生活保護を受給している講師の実態もこれまで報告されている。

「国は非正規雇用の環境改善や同一労働同一賃金などを掲げていますが、それは民間企業だけでなく公務員でも同じこと。非正規公務員はブラックのかたまりともいえます。

 特に教員は、資質の向上を求める一方で、正規採用を抑えながら、人件費が安くていつでも解雇できるという理由で非正規教員を増やしているのは大きな問題です。結局、そのツケは子どもたちに回ってくるのです」(斎藤氏)

 学校教員の過酷な労働環境は度々話題にのぼるが、正規・非正規の区別なく、学校や保護者などから評価の高い教員の待遇を上げるような策を真剣に考えなければ、教育現場はますます疲弊していく一方だろう。

関連記事

トピックス

「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン