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羨ましい…力士の褒賞金は好成績で増えるが悪くても減らない

栃ノ心は大関獲りに挑む(共同通信社)

 力士の世界では、横綱を頂点とする厳しい序列がある。それはカネにも如実に現われる。力士の基本給は、手当を含めた月額で「横綱282万円」から「十両103万円」まで大きな差がある。幕下以下には場所手当(約7万~15万円)や巡業手当が出るのみで基本給はゼロだ。

「関取には2か月に一度の本場所のたびに、過去の成績に応じた『力士褒賞金』もある。勝ち越し1勝につき2000円、金星1個につき4万円といった具合に細かく決められた額が、どんどん積み上げられていく。特徴は“好成績で増えるが、成績が悪くても減らない”こと。

 たとえば元大関の照ノ富士は、日馬富士の暴行事件の現場に居合わせて以降、成績が全く上がらず十両5枚目まで落ちたが、褒賞金は大関時代と変わらない。ただ、幕下まで落ちるともらえなくなるので、引退が視野に入るのではないか」(ベテラン力士)

 さらに「厳しい掟」に縛られるのが行司・呼出・床山といった裏方だ。行司には最高位の「立行司」を筆頭に8つの階級がある。

「昇格・昇給は年1回で、毎年9月場所後に勤務評定が下されて決まる。力士のように“本場所の成績で番付が逆転”という現象はほぼないので、大半は勤続年数による年功序列で、先輩の命令は絶対。立行司・式守伊之助による未成年の若手行司へのセクハラのような件が起きやすい土壌がある」(同前)

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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