“ズキズキ”と体の奥深くが痛む腹痛に加え、左側の背中や左肩、左手まで“ズンズン”とした鈍痛が広がり、仰向けに寝た場合に痛みがさらに強くなる場合は、急性膵炎、膵臓がんの疑いが強くなる。

「右側」の痛みも軽視できない。食事を摂った2~4時間後に、右上腹部に“ズンズン”と響く激しい痛みが生じる場合は胆のう炎・胆管炎の可能性がある。

「胆石が胆管を塞ぎ、細菌感染して発症し、強い痛みをもたらします。細菌による毒素が急激に全身に広がる急性胆管炎は意識障害や脈が速くなるといったショック症状が発生、生命の危険があります」(同前)

 へそから下の「下腹部」の痛みも重病のサインだ。

「なかでも“ズシン”と重苦しい痛みがあり、頻尿や排尿時の痛み、残尿感などの症状があれば膀胱炎が疑われます。おへその下が“キリキリ”と急激に突き刺すように痛み、その痛みが右の下腹部に移動したら虫垂炎の可能性が高い」(同前)

 左下腹部周辺に“ジン、ジン”と周期的な痛みが周期的に発生するケースは結腸に炎症が生じる大腸憩室炎のリスクが懸念される。

「結腸の中の憩室という部分が腫れたり膿んだりする病気で、悪化すると憩室が破れて腹膜炎へ進行することがあります」(同前)

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