北朝鮮と日本は首都間の距離でも1200kmほど、九州となると平壌からわずか700kmである。日本海に自衛隊の艦艇が出動すれば、北の短距離ミサイルの射程にまで入ってしまう。
北朝鮮はミサイルを日本のどこに、どう撃ち込んでくるのか。日本国内の具体的な攻撃目標についてアジア安全保障の専門家である国防大学国家戦略研究所のジム・プリシュタップ上級研究員は、在日米軍基地がまず狙われるだろうと指摘する。
「最も現実的なシナリオはアメリカと北朝鮮の間で戦闘が起き、北側が米軍の戦闘、兵站両面での後方基地となる日本国内の基地をミサイル攻撃で破壊しようとする可能性だろう」
であれば米朝開戦へ介入度合いの高い米空軍や海兵隊の基地がある三沢、横田、岩国、沖縄が標的となる。
歴代政権の国防総省高官だったブルース・ワインロッド氏は北朝鮮の行動は合理性に欠けることも多く、東京や大阪といった大都市をミサイル攻撃するという悪夢のようなシナリオも想像はできると述べた。
この点、プリシュタップ氏も「北朝鮮が日本を攻撃するときは、米軍の全面反撃により北の国家が滅びるときだから、あらゆる手段をとるだろう」と論評した。