ライフ

「港区おじさん」より「埼玉おじさん」 前向き解釈が得意

埼玉おじさんはストライクゾーンも広い(写真:アフロ)

「港区」にはある種の魔力がある。だが、自分を見失うべきではない。大人力を追求するコラムニスト・石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 何となくいけ好かない「港区女子」とともに、というかセットで話題を呼んでいるのが「港区おじさん」です。カネにものを言わせたその独特の生態には、驚きと半笑いを禁じ得ません。提唱している大元である『東京カレンダー』のWEBサイトでは、港区おじさんをこう定義しています。

〈港区女子は、それ単体では存在し得ない。彼女たちの影には、太陽と月の如く、欠かせない相手がいる。-港区女子を生み出しているのは一体誰なのか その正体は、“ありあまる富”を持つ、港区おじさん。〉

 港区おじさんの生態を描いたシリーズ動画「一分港区おじさん」は、毎週更新中で大人気。見始めると続けて見てしまって、そのマヌケさに笑ったり時には不覚にも泣いたりしてしまいます。そのうちだんだん、港区女子や港区おじさんが好きになってしまいそうになるのが、動画の怖いところ。自分を見失わないように気を付けましょう。

 港区おじさんになるには、女性におごりまくるだけの“ありあまる富”が必要なだけでなく、下心のなさも不可欠だとか。富の時点で大半のおっさんには関係ありませんが、見返りを求めないという高尚な境地に達することも、あまりに無理すぎる相談です。もしわずかでも、港区おじさんに憧れる気持ちや目指そうという野望があるなら、今すぐ捨て去りましょう。あれは、遠くにありて笑うものです。

 富が控え目なわりには下心はたっぷり──。そんな我々凡人のおっさんが目指すべきは何か。それは「埼玉おじさん」です。けっして負けおじさんの遠吠えではなく、埼玉おじさんには港区おじさんにはないアドバンテージやメリットが山ほどあります。ちなみに先日の「練馬区女子」と同様、ここでいう「埼玉おじさん」はあくまで概念で、生息エリアが埼玉である必要はありません。千葉県でも川崎市でも豊島区でも荒川区でも、何だったら港区でも大丈夫です。

 埼玉おじさんは、いい感じに発展する可能性がまったくない女性や、ましていっしょにいる女友達の分までお会計を引き受けるなんてことは、絶対にしません。カッコつけたいのは山々ですが、それをしたら向こう半年は霞を食って生きることになります。

 おごるのは、魂胆がはっきりしているときのみ。もちろん、いたずらに高い店に行ったりなんてしないので、深い傷を負うこともありません。相手の女性としてもこっちの意図を汲み取りやすいため、面倒な駆け引きに腐心することなく、頃合いを見てYESかNOかをはっきり表明してくれるでしょう。そこはいわば、埼玉おじさんのやさしさです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信を続ける高橋和也さん
【集めた数は3468種類】全国から「鳥型のサブレー」だけを集める男性が明かした収集のきっかけとなった“一枚”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン