例えば、ミニスカートや胸元が大きく空いた服装の女性部下に、「(下着が)見えそうだよ」、「胸が大きいね」、「目のやり場に困る」などと言ってしまう人がいます。本人は注意しているつもりかもしれませんが、自分の感想を言ったら、これはセクハラと訴えられても仕方ありません。
そこで、セクハラの疑いをかけられないコツは、仕事上の必要性を明確にすることです。
「客先の応接室のソファに座っても、スカートの裾を気にせずにすむように、スカート丈は立った時に膝小僧が隠れる長さにしてください」
「ワイシャツの第二ボタンまではずしていたら、だらしないと思う取引先もいるでしょう。第一ボタンを外した時と同じくらいの感じで肩甲骨がきちんと隠れるような服装をしてください」
といった具合に直してほしい点を的確に言うことで、それは業務上必要な注意になります。
また、厚生労働省の福田祐典健康局長が、女性職員にセクハラを疑われるメールを送り、戒告処分を受けたばかりですが、最近、SNS等のメッセージやメールをめぐるセクハラ相談が増えています。
特に、個人的なメールアドレスやプライベートなSNS等のメッセージは要注意です。たとえ、メールやメッセージでも回数を重ねれば「執拗な誘い」というセクハラに該当します。
「相手がメアドを教えてくれた(メッセージを送ってもいいと言った)んだから、セクハラではないだろう!」
と反論する方がいます。確かに職場恋愛やコミュニケーションは自由です。しかし、相手が断っているにもかかわらず、なお送り続けた場合には、まずアウトと考えてください。
ただ、食事を誘った時に「用事がある」などと、やんわり断る方もいるので、誘った側にしてみれば、見極めが難しいところです。一度、誘って実現しなかった場合には、断られたと考えたほうが無難かもしれません。心残りな場合は、「じゃあ、○○さんの都合の良いときにメッセージして。合わせるから」などと、アプローチ役は相手にバトンタッチするとよいでしょう。