スポーツ

大相撲番付インフレ カギを握るのは小結・遠藤、阿炎と豊山

初の三役となった遠藤(時事通信フォト)

 大相撲見物に行っても、横綱がそろうところを見られない。せっかく回復した人気がまた下落するのを恐れてか、昇進基準をゆるやかに解釈して、栃ノ心を大関に、高安を横綱にしようという浅はかな人気回復策が囁かれている。そんなお手盛りの“番付インフレ”が本当に起きてしまうのか。カギを握るのは高安、栃ノ心とぶつかる幕内上位のガチンコ力士だ。

 注目は幕下付け出しデビューから6年目にして初の三役となった小結・遠藤。

「3月場所は初日に高安を送り出しで破るなど9勝6敗。対高安戦は通算成績も7勝6敗とリードしている。栃ノ心との過去の対戦も3勝3敗の五分。今場所の台風の目となる最右翼」(ベテラン記者)

 同じく春場所で高安に土をつけた逸ノ城も、関脇として5月場所に臨む。優勝を目指す高安にとっては難敵になるだろう。

「昇進の条件は栃ノ心のほうが楽」とみるのは、スポーツ紙デスクだ。

「栃ノ心が苦手とする貴景勝は幕内下位に、阿武咲は十両まで番付を落としているのは追い風。栃ノ心の“鬼門”になるとすれば、初顔合わせになる阿炎(あび、前頭2)と豊山(前頭3)。ともに春場所は10勝5敗と勢いに乗る24歳の若手です。とくに元関脇・寺尾が指導する錣山部屋の阿炎は上位陣から警戒されていて、白鵬が巡業最終日にわざわざ三番稽古の相手に指名したほど」

 協会の目論見通り、「新・横綱&大関」の誕生となるか、それを阻む“新星”が現われるのか。土俵上の戦いから目が離せない。

※週刊ポスト2018年5月18日号

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン